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異端児

f0005681_1141824.jpgザ・ラストバンカー 西川善文回顧録
著者: 西川善文

元三井住友銀行頭取、郵政公社社長を務め、「ラストバンカー」と呼ばれた西川善文氏の回顧分。経済のど真ん中でディールメーカーとして生きた西川さんの、その舞台裏があかされています。

まず西川さんの生い立ちから。新聞記者になりたかった西川さんがひょんなことから住友銀行に入り、その後住友銀行調査部を経て、安宅産業の破たん処理に奔走、子会社を整理し安宅を伊藤忠に引き取ってもらう(とはいっても全部ではなく一部のみ)件。いわゆる銀行M&Aが堪能できます。安宅産業、イトマン事件、イトマンの破たん処理、住専、そして金融危機と、常に様々な危機に直面し、その対応に走り回った記述は華やかさこそないものの「ディールメーカー」としての手腕が伺えます。
ただ、安宅産業はまだ、「投資に失敗した商社」を救済し経済的影響を減らす、という前向きな話が出ますが、その後のイトマンや平和相互など、いわゆる「バブルでコンプラ無視の犯罪的経済活動」の後始末は、読んでいてダークになります。

もちろん毀誉褒貶がある人ではありますが、安宅から始まりイトマン、平和相互との合併など、いわゆるバブル時代の「裏の世界」を走りぬけ、さらに郵政の民営化と、大三井住友銀行の頭取、郵政のトップまで勤めた人の言葉は重い。そして資本増強時でのGSの選定の舞台裏。GSの「リレーションシップ・バンキング」ここに極まれり、って感じですけど(金融庁の方、リレーションシップバンキングを強化しろ!ってこういう事(いざというときに排他的なディールを取れる関係構築)っていう事がわかってるんですかね。ディープなリレーションを構築する目的は排他的関係でぶち抜けるディールを獲得すること以外ありえない)。

全体を読んで感じたのは多分「こんな本では書ききれない」ようなディープな話は割愛されてしまったんだろうな、ということ。表面的な記述で終わってしまっているところが各所で見受けられてかなり残念だなあ、という感じがするところは各所に見えます。もちろんかけないことが多いんでしょうけど。

ただ、イトマン事件あたりからの文脈ではさっと書かれていますが、イトマン事件に対するかなりの怒りが行間から湧き出、さらに郵政の件に関しては自ら「政治音痴」とは言いながら怨念が立ち上るような記述になっています。

個人的な感想としては、これが西川氏側からの記述だとはいえ、郵政に関しては政治家の不毛な、そして理不尽な行動には憤りを覚えます。

私自身はバブル期などの本を多数読んでいますから表面的だな、とも思いますが、初めて読む人は戦後金融の裏側が堪能できて面白い一冊ではないでしょうか?

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これはマジでカッコイイ!
ブルーインパルス PV 最強版 Blue impulse 【自衛隊】

音楽(ELLEGARDEN Salamander)とマッチしていて、マジでヤバいっす。
T-4って小型機なので、ハンパなく揺れるんでしょうけど、編隊飛行とか「おいおいこの揺れ方でこの距離ヤバイっしょ」みたな。


、、え?そうです、飛行機オタですけど、なにか?

【追記】星かくときどうやって位置みてんだろ?と思ったら、スモークの位置をまたいだところが見えるんですね、、、感動。。。<オタクです
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by ttori | 2011-11-13 11:34 | 本 / CD / TV

犯罪者

MFグローバルが経営破たん、欧州ソブリン債への積極投資で痛手
米先物ブローカーのMFグローバル・ホールディングスは31日、ニューヨーク市マンハッタンの裁判所に連邦破産法11条の適用を申請した。同社はゴールドマン・サックスの最高経営責任者(CEO)や上院議員、ニュージャージー州知事を歴任したジョン・コーザイン氏(64歳)がCEOを務めており、積極的なリスクテイクを通じて同社を「ミニゴールドマン」に変身させようとした同氏の野望は、欧州債務危機のあおりで打ち砕かれる形となった。コーザイン氏はリスクの高い自己勘定売買を推進。低金利と欧州ソブリン債への積極投資で痛手を受けた。 規制当局は以前からMFグローバルの存続能力に「重大な懸念」を抱いており、イタリアやポルトガル、スペインなどのソブリン債に対するエクスポージャーの公表を求められてから、わずか1週間足らずでのあっという間の破たん劇となった。
 同社に対しては多くの企業が関心を示しており、バークレイズ、シティグループ、ドイツ銀行、ジェフェリーズ・グループ、JPモルガン・チェース、マッコーリー・グループ、ステート・ストリート、ウェルズ・ファーゴなどの名が買い手候補として挙がっていた。しかし、関係筋によると、インタラクティブ・ブローカーズ・グループへの資産売却をめぐる協議が決裂した後、連邦破産法11条の申請に踏み切った。
 同社のブラッドレイ・アベロウ最高執行責任者(COO)は裁判所に提出した文書の中で、「規制当局に定められた期限までの限られた時間で達成できる他の選択肢がなかった」と説明した。 MFグローバルの破たんは、2008年のリーマン・ブラザーズの破たん劇を連想させる。しかし、市場関係者は、市場にもたらす影響はリーマンに比べてはるかに小さく、限定的なものにとどまるとみている。それでも、同社破たんにより、複雑なポジションの整理に伴う混乱は避けられないとの見方から、米国市場における金、原油、穀物などの取引は減少した。CRGパートナーズのリストラアドバイザー、マイケル・エプスタイン氏は「MFグローバルはある意味で、リーマン・ブラザーズの小型版のようなものだ」と語っている。
[ニューヨーク 31日 ロイター] 

最近こんだけマーケットが荒れてる(パパン首相(?)の暴走とか)のになかなかマーケット事件簿に書く事件がおこんないなー、と思ったらよーやく出てきました。<あほ

ゴールドマンサックスの元ボンドトレーダー・共同会長で元米ニュージャージー州知事(この選挙はすさまじい金が投入されたらしいですが)のジョンコーザイン氏*がCEOとして乗り込んでいったMFグローバルが破綻しました。その負債総額410億ドル(3.2兆円)。
このコーザイン氏、LTCMのときに一人で暴走してGSの会長を解任された、という過去がございます。そしてその恨みを晴らすためか、積極的な拡大戦略を引き、MFグローバルをミニゴールドマンにすべく、投資銀行化に積極的に打って出ていたそうです。
*ちなみにこのコーザイン氏をキーパーソン条項にした(この人が辞めたら償還しまっせとか)債券が発行されてた(引き受けはジェフリーズという中堅投資銀行で、この事件で株価が爆落してます)り、結構すごいおっさんだと思われていた模様)

今回の破綻の直接の原因は欧州債券のエクスポージャーの高さ。
元々MFグローバルって、資本金が15億ドル(1200億)程度しかない小型の先物ブローカーでした。ところが元債券トレーダーとしての血が騒いだのかしりませんが、欧州の、しかも今PIIGSとして騒がれている高リスククレジット国のソブリン国債をしこたま(60億ドル、5000億くらい)抱えたとのこと。

もともとこのMFグローバルという会社、日本でいう商品先物の会社のED&Fマンという砂糖をあつかう商社会社が源流です。今ロンドンに上場していて日本の個人投資家にも有名なCTAヘッジファンドAHLのマン・グループが先物ブローカー部門をスピンオフ(分離独立)させたのがMFグローバルです。

この先物ブローカー会社って結構昔からある形態で、破綻したリーマンも元々綿花商社から出発した会社です。直近では上場直後に不正会計が発覚していきなり破綻したレフコという先物ブローカー**とか(MFグローバルがその後買収)何かと話題を振りまいてくれる存在ではありましたが。
**よく読むとレフコが破綻したときもインタラクティブブローカーって買収相手として名乗りあげてたんですね、、。

しかも件のコーザイン氏、顧客資産を流用していたようで、この業界、顧客資産に手をつけるのはご法度ですので、業界のコンプラの基本の「き」を無視した罪は重いと思われます(インタラクティブブローカーなど買収者が軒並みbidを取り下げたのは、これが原因だと思われ)。まー要するにトップの暴走を押さえきれなかたっと。

あと、よく「これはリーマンショックの再来だ!」とかおっしゃる方がいらっしゃるようですが、個人的にはそこまでいかんのかなあ、と***。理由は簡単で、バランスシートが軽いのと、現物と上場先物中心(上場先物はOTCデリバティブと違い、カウンターパーティは証券取引所)のバランスシートなのでOTCデリバティブでのハブの一つになっていたリーマンとはまったく別ではと。
ただ、ユーロ危機の犠牲者の一つとしてはなかなかのでかさ、さらに自己売買のミスで潰れたとなると金融機関の規制強化を主張している人達が「それみたことか」と勢いづくこと間違いなしですし。
***ただ、ギリシャの無秩序な破綻はリーマンショック以上の衝撃になる、に10000ドラクマ。

しかしギリシャの首相がとち狂って国民投票するとか、先が見えなくなっていてとってもダークな気分になるの私だけですか、そうですか。
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by ttori | 2011-11-02 23:27 | Market(マーケット事件簿)



小さな窓から見上げると曇り空でも、外に出ると意外と晴れてるもんだ。
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