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破綻の裏側。

今読んでる本は面白い本盛りだくさん!です。下記以外では、”賢者の黄金”(ジリアンデット著)、いまさら読んでる竹森俊平先生の”資本主義はお嫌いですか それでもマネーは世界を動かす”、”バフェットの株主総会 ジェフ・マシューズ著”。読み終えた順に紹介したいと思います。

f0005681_222116100.jpg金融大狂乱 リーマン・ブラザーズはなぜ暴走したのか
ローレンス・マクドナルド (著), パトリック・ロビンソン (著), 峯村利哉 (翻訳)

元リーマンブラザース・VP(バイスプレジデント:課長くらい)でディストレス債券のトレーダーだった著者がリーマン内部からの目線でリーマン破綻までを追っています。

まず前半で著者がリーマンにたどり着くまでの過程、ハーバードやイェールなど超有名大学以外ではほとんど就職不可能なウォール街で職を得るまでの奮闘を描かれています(著者はマサチューセッツ大学ダートマス校出身)。メリルのフィラデルフィア支店へ採用されるまでの過程、支店でのブローカレッジ業務。このあたりの話は日本の証券会社のリテール営業と同じ雰囲気なのがわかります。そして著者はITバブルに乗って、Convertbond.comというサイトを立ち上げ、債券リサーチをWeb上で提供する会社を設立、その会社をモルガンスタンレーに売却し債券アナリストをした後、友人の誘いでディストレス債(破綻しそうなリスクの高い債券)のトレーダーとして、リーマンブラザースに加わります。

そこからリーマンでの内部での動きがつぶさに描かれています。なにより、グローバル債券ヘッドのゲルバント氏など、多くの人物が05年にはサブプライム市場の崩壊を予想し、リーマンのファルドCEO、グレゴリー社長などに「ポジションを落とすべき」という進言を何度も行っていた事実が描かれています。
またそうした予測により著者たちが多くの市場でショートポジションを取り、大もうけする姿が描かれています。しかし一方でファルドCEOは決して現場には降りてこず、サブプライムや不動産市場にのめりこみ会社を傾かせることになります(そしてゲルバント氏や著者の上司のマッカーシー氏など危機を訴えた人間がどんどん会社を去っていきます)。不動産市場にのめりこんだ理由が、彼の元上司で彼のメンターにリーマンを追い出されたブラックストーンのピーターソン氏がREITの買収をして大金を儲けたから、と書かれています。そこでのファルドCEOの口癖が「成長、成長」。
そして現場のヘッドたちが反乱をおこしてグレゴリー社長を解任し、ゲルバント氏などを呼び戻し、リーマンを立て直しにかかりますが、あまりにもひどい不動産への傾斜でもはや手遅れで、またポールソン財務長官の不興を買い、結局破綻していく姿が描かれています。

まさに「タイは頭から腐る」を地でいっている感。かつてのトレーディングの勇ソロモンの「博徒の集団の頭は博徒の天才でなければならない」というのをここでも再確認しました(JPモルガンのダイモンCEOやデリバティブから完全撤退を主張したウインタース氏や、2005年にはトップの方針でサブプライムのショートに走ったゴールドマンなどとの対比。今回あまり傷を負わなかった欧米金融機関(JPモルガン、GS、CS、ドイチェなど)のトップはトレーダー出身者が多いことに気がつかされます)。

残念ながら訳をされた方があまり金融に詳しくないのか、転換社債と社債をごっちゃにされてたり、一部?なところがあったりしますが、リーマンショックから1年、内情を赤裸々に知れるカナリ面白い本だと思います。

最後に別の本から。最近面白かった記述。”公平な”コイン投げで99回表が出た。100回目のコイン投げで裏が出る確率は?と聴かれあるA教授は”そんなの半分に決まってる”と答えたが、Bさんは”1%もない”と答える。”A教授は半分だっていってるけど”とBさんに言うと、”ばかやろう、コインに細工がしてあるにきまってるだろう”と。”公平だといってるけど”というと、Bさんは”ちょろいぜ。この勝負いただきだ”と。
さて皆さんはどうお考えでしょうか。

【追記】マーケット、、、円高進行。日銀レートチェックがあったようですが、実弾介入はなかったそうで、、。株はインデックスで下を試して、日経のプットのインプライドが急騰。為替はサンクスギビングで海外当局と連携ができない政府の足元を見透かして遊ばれてますなあ。。。でも意外と輸出筋の株価しっかり。まあ来週頭いろんなインデックスプレーが出てきますから、株価歪んでる、といわれればそれまでですけど、、、。
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by ttori | 2009-11-28 21:11 | 本 / CD / TV

あとしまつ

ドバイ・ワールドが全債務返済繰り延べ要請-国債保証料急騰
アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国の政府系投資持ち株会社ドバイ・ワールドは25日、全債務について支払い繰り延べを債権者に求めた。同社は590億ドル(約5兆1700億円)の債務を抱えている。ドバイ政府はこの日、国債発行で50億ドルを調達した。ドバイ・ワールドは返済繰り延べの交渉を進める間、全債権者に対し「静止合意」を求める。ドバイ政府の財務担当機関が25日電子メールで発表した。繰り延べ要請した債務には、傘下の不動産開発部門ナヒールのイスラム債35億2000万ドル相当(12月14日償還)も含まれる。米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスとスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、繰り延べ計画はデフォルト(債務不履行)と見なすことも可能だとして、複数の政府系企業を格下げした。
(中略)
ドバイのムハンマド・ビン・ラシド・マクトム首長は昨年11月に、国債発行は成功するだろうとし、アブダビの協力は疑いの余地がないと強気の姿勢を示していた。アブダビは世界最大の政府系ファンドを持ち、UAEの油田のほぼすべてを握っている。ドバイは中東の金融の中心となることを目指していた。ナヒールが8月20日に明らかにしたところによれば、ドバイ・ワールドの債務は08年末時点で593億ドル。資産は996億ドルだった。
【11月26日(ブルームバーグ)】

UAE(アラブ首長国連邦)はアブダビ、ドバイなど7つの首長国の連合となっており、そのうちドバイ首長国は原油の産出がすくなかったことから、それ以外の産業を育成するためにイスラム圏とは思えない経済圏を築き上げたドバイ。

近年の石油価格高騰により、そのマネーが一気にドバイに流れ込み、バブルを起こしている、との指摘は前々からありました。
しかし、NHKスペシャル”沸騰都市”で最初に取り上げられ、中東の金融センター、物流の中心地として栄え、世界一のブルジュ・ドバイやヨットの形をした超高級ホテル・ブルジュ・アル・アラブ、海に椰子の木の形に埋め立てを行い、高級分譲地としたパームアイランド。さらに砂漠の中にスキー場まで作ってしまいました。そしてその華やかさ、砂漠の中に忽然と姿を現す幻の都市のようです。
日本の建設会社も大挙して乗り込み、大量の受注残を抱えているので、ひとごとではないんでしょうが。

その繁栄は砂漠の蜃気楼だったのでしょうか。
今回ドバイの政府系投資会社、ドバイワールド(傘下にパームアイランドなどの開発を行った不動産会社ナキール、世界23カ国で43の港湾ターミナルを管理・運営しているDPワールド、投資会社イスティスマールなどを含む)は全債務の返済猶予を申し出、UAEの盟主アブダビが支援するとのことで、デフォルトは避けられるとの見方もあるようですが。

しかし、、、日本のADRといい、「何がデフォルト?」という事態がたくさん起きますなあ、、、。
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by ttori | 2009-11-26 22:35 | News

りんご

久々登場です。

ウォータリングキスミントガム:椎名林檎さん

かつて(大学のときでしたが)”本能”を聴いてショックをうけ、その足で発売済みのCD全て買いに行った記憶があります。最近は東京事変という形で活動されていましたが、かつてのようなパンチが無いイメージでしたが。

しかし椎名林檎さんってあんまり女性受けしてない気がするのは私だけでしょうか?。
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by ttori | 2009-11-25 21:24 | CM一考

ニュース2題

下記のエントリーを書いての感想は、
”よくぞここまで積み上げた!にっぽん!(個人金融資産も国債も)”
でして。<あほ。

で、話題二つ。
亀井金融担当大臣:「日本の株価には大和魂がない」と活性化策を提案
 亀井静香・金融担当大臣は、定例記者会見を、同じ日に2回開いている。(中略)記者クラブのそれと違って質問も鋭く、答える亀井大臣も歯に衣を着せずに、ズバリ本心を語ることが多い。11日の会見でも株式市場について、こんなやり取りがあった。
  記者が「日本の株式市場は、新政権の不透明感もあり、少し戻りが弱いと言われているが」と水を向けると、大臣はすかさず、「前政権が悪いことばかりしているから、それを整理することに、今、力がいってしまって、『新しいもの』を作り出していくということが、今のところ見えていない。だから、それが株価にも影響してくる。7割近い東証(の売買代金)も、こう(ニューヨーク市場の影響を受ける)ということもあるが、基本は、日本経済自身が非常にたくましいエネルギーを持つことが必要だ。(株価の低迷は)今の日本の企業自体が、未来に向けて力強さというのをまだ示していないということに(原因が)ある」と、語る。
  さらに、別の記者が「今後、どういったものが『新しいもの』になるのか」と、畳み掛けると、「それは、総理の、(CO2)25%削減みたいな大きな目標にもあるように、世界の環境(問題)を克服していく産業活動が、大きな経済成長の一つの機関車にはなり得る。エコカーだけでなく、今度はエコ住宅をやったら良いではないか。住宅産業は裾野が広いから株価を押し上げていく一つの要因にもなっていく。また、地方を再生していくエネルギーが、株価にも影響していくと思う。要は、今の日本の株価には大和魂が全然感じられない。ニューヨーク市場に『右に倣え(ならえ)』してしまった。外国の企業や資本が、投資をしていこうという、魅力のある日本経済にしていかなければ駄目だ。そのためには、世界のどの国にもあるような産業ではなくて、日本(固有)の産業を日本自身が作り出していくこと。その一つは、やはりテクノロジーだ」。(【経済ニュース:2009/11/14(土) 19:40情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

、、、えーーっと、、前後で言っていることは結構まっとうなんですが、、、なんでしょう、この脱力感は、、。
大和魂=主体性?ですか?
どんな株価になればやまとだましいを感じられるのでしょうか。それとも私はクオンツなんぞやっている欧米かぶれなので、大和魂な株価を感じられないと。

これ、ニュースにはなりませんでしたが、ヘッドラインで
亀井金融担当大臣:「日本の株価には大和魂がない」
とか赤字で打たれると、多分マーケットの参加者は相当のけぞったんではないんでしょうか、、、。
まああれだ、かつて「美しい金利」とのたまった元エコノミストの衆議院議員さんもいらっしゃったので、「大和魂の株価」という金融大臣がいてもいいと。

、、、。

次いきましょ、次。
ナウシカ・レクイエムを歌った久石譲の愛娘、麻衣がデビュー
「ラン・ランララ・ランランラン…」というナウシカ・レクイエムを歌った4歳の女の子がデビューを飾る。そう、知る人ぞ知る、久石譲の愛娘、麻衣だ。【2009-11-14】

おおおお、なんと。
あの歌を歌っていたのは久石譲の娘だったのか!
現在麻衣さんは31歳だそうで、この歌を歌ったときは4歳。つまりナウシカは27年も前の作品ということ。(<あたりまえ)

まさかこんなところで、新しいナウシカネタが出てくるとは、、、。<あほ
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by ttori | 2009-11-16 22:00 | News

りふれ

下記エントリーを書くとき、皆さんの議論を拝見して。(あ、こっからは経済学まったく素人の私の妄想です。為念

下記のコメント欄でも”日銀が既発債全部買うとインフレになる”とのご指摘で、私は
”おっしゃるとおり、国債全部日銀が買うとインフレになると思います*。
が、現実今の日本でその議論はかなり極端だと思います。
皆さんが議論されているのを拝見させていただいて思うのは、「ブラックスワン」的な状況を想定されてるか、今現実の延長で「それは(政治的・現実的に)無理」とおっしゃっているかの違いで、議論がかみ合ってない気がします。前者は経済学者の方、後者は金融関係者に多い論調な気がします。上記日銀の国債すべて引き受けは「ブラックスワン」イベントで、そうすれば確かにインフレにできる(多分、、、)と思いますが、”現実的に”それは無理だろう、と。問題はどのような状況になれば「ブラックスワン」的状況になるか、だとおもいますけど。”
と書きました。
確かにインフレはどこまでも貨幣的現象ですから、何してもいいのであればインフレにできるとおもいますが。
その方法論の現実性をみなさん議論しているのだと思いますが。
*ちなみに個人的には現在の国債保有が国内にかたよっている現状、日銀国債引き受けによるハイパーインフレも”あり”かなあ、と思ってますが。まあ、その場合困るのは年金生活者でしょうから、政治的に受け入れられないでしょうけど、、、。

金融屋として、現実”今の”日本を考えると、まずもし日銀が現状国債買いオペを強化して、市中にお金をばら撒こうとすることを考えて見ましょう。
今国債の保有者はほとんどが市中銀行、保険会社、ゆうちょ簡保**などです。買いオペで銀行の手元に現金が残ったとして、彼らの行動を考えてみると、まず貸し出しにまわす?>今の経済状況だとなかなか国内向け貸し出しには向かない。他の債券はそんなに量はない***でしょうから、外債にまわすかもしれませんが、リスク管理上むちゃくちゃに積み上げることは無理でしょう。となると、日銀口座にブタ積みされる可能性が一番高いきがします。もちろん、金融庁あたりが「無理やりにでも市中に貸し出せ!」と尻をたたいたとしても、上場企業として損が出そうな先には貸し出せない(背任になりかねない)でしょう(ついでにBIS規制上キャピタルがないと手元に資金があっても貸し出せないんですけどね、、。そういう意味でBIS規制を所与のものとして与えると(<ここをかめい先生は否定しようとする魂胆かも知れませんが)、銀行に資本注入するのも一つの手かもしれません)。
**まあ、保有の結構な部分が郵貯簡保ですから、まず彼らがなんでもありにする必要があるかもしれません。そうしないなら、先に郵貯簡保を解体するか、市中に資金アクセスする方法を考えるほうが先かと。
***これによってMBS経由とかで不動産がバブったりして、資産バブルが起きたりする可能性がありますが、、。

この状況を打開するには市中企業(借り手)の資金ニーズが盛り上がる(先行きに楽観的になる>期待インフレが高まる)ことが必要であり、その状況をつくりだす必要があると思います。では日銀が「インフレが*%になるまでマネーを供給します」とします。これが現実効くかどうか。

人の期待インフレってどうやったら上がるんでしょうか?個人的には「わからない」というのが答え(<あほ)なのですが、わかりやすいのは経済成長や、設備の統廃合で物の供給が減ること(相対的にマネーの供給が増えること)。日本の産業構造はなんだかんだ言いながらサービス産業の比重が大きい。サービス産業は輸出できませんから、供給先は国内に限られます。そうすると、人数×必要サービスで規定されてしまいます。人数は今後人口が減るから、一人当たりの必要サービスを上げる必要がありますが、サービスを受けるためには金が必要で、給料が上がらない限り増えません。一方で輸出ができる産業は今の経済状況であればなかなか利益を上げるのが難しい(円安になれば早いですけど)。一方で物の供給が減るか?と考えると今の過剰サービス体質の日本だとなかなか難しい、というのが現状だと思います****。
****物の供給を減らすために鎖国してしまう、という手法も考えられますが、現実的ではないでしょうね、、。物の量を減らしても需要が減ったら元も子もないんですけどね、、(例:減反政策のコメとか)。

だからこそ、下記産業構造が変化して、潜在成長率が上がらないと、”ノーマルな状態では”なかなかデフレから脱却できないと、個人的には考えています。何も無いところで日銀が「インフレ*%になるまでマネー供給します」作戦がどこまで効くかは「やってみないとわからない」だと思います(だからこそその実行性について議論がでる(インフレターゲット論)のだと思います。「やったこと無いんだからやってみろ」みたいな。)。

、、、まあ、ブラックスワン的状況のほうが話題になるしセンセーショナルなので議論になりやすい(どこまでJGBを発行できるのか?、みたいな)とおもいますが。

あ、上にも書きましたが、これは経済学をマッタク勉強してない私の妄想です。為念。

【追記】実は個人的には設備と人員の需給ミスマッチと団塊世代の退場に伴って人件費の高騰>デフレ脱却!ってシナリオも実はあるんではないか、と思ってますけど。期待インフレって実はうつろいやすいもので、ランドマーク的なこと(超巨大ディールとか)であっさり上がってしまったりする(香港の不動産市場で見られたりするようです)んではないかなあと。
もっとも言いたいのは、経済は人の生活に根ざし、物理などに比べて、確固たる物が少ない、という事を肝に銘じなければならない、と思います。上に書いた、日銀によるハイパーインフレも状況証拠的に「そうなる確率が高い」だけであって、必ずそうなるとも限らないと思います。そういう意味で、国の税金を食んでいる碩学な経済学者様、かつーま何ぞにお株を奪われてないで、もっと国への働きかけをしてもいいのでは。

【追記2】下記コメント欄でご指摘ございましたが、あえて触れてないですが今”政府”・日銀が取れる手段としては円安誘導しかなかろう、と思いますが、現政権、そんな雰囲気無いんですよね、、、。
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by ttori | 2009-11-15 08:50 | News

かつーま旋風

が吹き荒れているらしく。
各所でいろいろな議論を引き起こしております。

みんなGoogleでGo!。<あほ。

リフレ論議*といい、35歳結婚限界説といい。
ちなみに週刊文春のグラビアに出ようとして、出版社の”断る力”が発揮されて断念らしく。

まあ、自分の主義主張をきちんと表明し、その主義主張を実現すべく、努力するのはすばらしいことだとはおもいます。ええ。
*個人的に言いたいことは山ほどありますが、少なくとも「そんなアホな」とおっしゃっている碩学な学者様にいたっては、その主義主張をきちんと実践しようとした方はどれだけいらっしゃったか。「ヤツのリフレ議論」云々とみんなで議論を沸騰させただけでもたいしたものだと思います。
個人的には(まあ私は経済学はまともに勉強したことが無いので妄想ですが。為念)「インフレはいついかなる場合も貨幣的な現象だ」(by フリードマン)と思いますが、普通の経済状況であれば(例え大不況におちいったとしても、国民国家の貨幣発行の根本が揺らいでいない限り)潜在成長率が上がらない限りネガティブフィードバックでデフレからなかなか脱却できないと思っていますが、そんな(ポジティブ・ネガティブフィードバックの多次元系で)一元的で簡単なもんでもないというのも重々承知しています(インフレするためにお金たくさんすっても、それをどこに・どうやって供給すんの?現実的に考えれば消費が上がってこなければ手持ちの金を作り出すすべがない。<ちなみに前のバブルはこの供給がうまくいった例でしょうけど。)。前にも何度か書きましたが、デフレギャップの大きな理由は個人的には「産業構造の硬直化(無駄なもん大量に作ってる or 無駄なとこに金つっこんでる)」とおもってますから、これは簡単には解消しないと思っています。私も含めて人間なかなか変われない生き物でしょうから。

世界は”過去の様々な要素が今の一点で集約され、そして未来に拡散していく”のですから。

【追記】しかし論争をみていると、金融市場をわかっている人はその実現可能性から「そんなの無理だ」といっている場合が多く、一方で経済学者の方(リフレを理解されているとおっしゃる方)は「なんで無理なんだよ」とおっしゃって対立してるように見えます(双方の言い方は、「やつらはマクロをわかっていない。馬鹿金融屋を一掃しろ」と。ではできましたらあなた銀行に就職して、金稼いでみてください、といいたい<削除。)。例えば経済学者の方は「日銀が無限に国債を引き受けるとコミットして、金利をコントロール」うんぬんとか書かれていた方がいますが、マーケット参加者は「長期金利コントロールなんてできっこない」と思ってたり。

【追記】東京マーケット、、動かないですねえ。S&P500と比べたら7月初旬からTOPIXがアンダーパフォーム。現状25%くらい。日経はもう少しましだけど、ファーストリテに引っ張られてNT高進しているためと思われ。またぞろファイナンスラッシュの予感。潜在成長率が低い日本で、バリュー優位が復活か?為替も三角ペナントで値幅が減少。どっちに振れるにしても大きな動きになりそう。唯一うごいているのがJGB。新聞各紙が「金利上昇」と書いた瞬間あっという間に戻しましたなあ。
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by ttori | 2009-11-13 22:41 | プライベート

便乗?

ホットストック:JT<2914.T>が急反落、増税懸念で実需の売り観測
日本たばこ産業(JT)は急反落。前日終値から3%超高の27万2000円で寄り付いたが、その後1時間程度で同水準から6%程度下落、25万4800円をつけた。
(中略)
鳩山由紀夫首相がたばこ税の見直しを指示するなど、たばこ増税の可能性が取り沙汰されていることに関連し、武田宗高副社長は決算会見で、仮に、たばこ増税が実施された場合には一段の消費減につながるとし、「増税分以上の値上げが必要になってくる」との見解を示した。市場ではJT株について「朝方は買い地合いのなかで決算が好感されたが、その後は値上げが消費減につながるとの見方が嫌気され、実需の売りが出たのではないか」( 大手証券の株式トレーダー)とみられている。
[東京 30日 ロイター]

私もタバコを吸う上、海外などに行くと駐在の方から「タバコ買ってきて」とたのまれたりするので、日本のタバコの安さは際立っていることは知っていますし(ただ、今の円高でどうなのか知りませんが)、今回の政府予算のばら撒き拡張で税収不安となり、”とりやすいところ”から取る、というのも納得はできませんが、想像はできます。

しかし上記JTの副社長のコメントを読むと、
「たばこ増税が実施された場合には一段の消費減につながるとし、「増税分以上の値上げが必要になってくる」との見解を示した」
とのことですが、世界はそれを

便乗値上げ

と呼ぶんだぜ(by サンボマスター)ではないでしょうか。(<あほ)

過去、消費税引き上げ等があったときに公正取引委員会等が「便乗値上げは許さん!」といきまいていた記憶がありますが、こと半国営会社には(JALや郵政をみてて思いますが)甘いなあ、と思ったりするのは民間人のヒガミですか、そうですか。

、、、しかし「これでJTは大手を振って値上げできる、収支改善、万々歳」みたいなレポートを書いてたアナリストもいたようで、規定路線なんですかね。。まあ、葉タバコ農家との関係とか、いろいろあるのでそうせざる得ない、という意味だとは思いますが。
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by ttori | 2009-11-10 21:39 | News

ワイン産業

f0005681_2247719.jpgボルドー・バブル崩壊 高騰する「液体資産」の行方
山本 昭彦 (著)

私は普段あまりワインは飲まないんですが(ビール党)、題名に引かれて買ってしまった。。
ただ、本書はそこいらにある「これを買え!ワインリスト!」<?みたいなワインのHowto本ではなく、ワインの産業としての側面を解説し、ワイン産業の現状、将来の見通しについて書かれており、なかなか興味深い本でした。
まず、ボルドーという地域について。ワインというとボルドー、というほど有名なブランド地域(他にはシャンパンで有名なシャンパーニュ地方とか)で行われているワインの流通についての解説があります。作り手であるシャトー(ワイン醸造所:有名なところはシャトー・ムートン・ローシルト:日本で有名なロスチャイルド家のワイン)の役割、そこにクルティエ・ネゴシアンというブローカーが介在し、バイヤー(酒商)へフューチャーを売りつないでいく、という独特な(というか金融市場の取引に近い)商取引が紹介されています。そして小売・レストラン以外のワインファンドなどの投機筋、さらにリーマンショックによってボルドーワインの価格が乱高下する姿も描かれています。
なにより近年ワイン産業で重視されるのが、”パーカーポイント”といわれる、アメリカのワイン評論家、ロバート・パーカー氏の点数。100点満点で100点を付けられたワインはそれだけで価格が跳ね上がってしまうほどの影響をもつそうです。

さらに近年のボルドー地域の近代化と、巨大資本の参入。LVMH(モエ・ヘネシー・ルイヴィトン)グループやPPR(ピノー・プランタンルドゥード)グループ(グッチやイヴサンローランなどを配下にもつ)といった多くの資産家がボルドーのシャトーを買収し、醸造設備を近代化し、灌漑設備を整え、コンピューターやGPSを使って畑を細かく管理を行い、それまで天候で出来が左右されていたワインを常に一定以上の品質に保ち続ける技術革新を行い、MBAを取った高学歴の人間を雇ってマーケティング戦略を強化し家内産業からボルドー地域が脱却していく姿が描かれています。
もちろん上記のパーカーポイントには批判があり、ロバートパーカー氏が好きなワインに近いワインの評価が当然高評価されるので、多くのシャトーが彼が好きそうなワインつくりをしてしまう、というワインの画一化(これに対して、最後のほうで、有名シャトーの当主が「パーカーポイントは確かに重要だが、私にはパーカー氏が好きでないワインを作る自由もある」と反論してます)批判もあるようです。そしてボルドーワインが投機の対象となった背景(パーカーポイントという外部格付けやボルドーというブランドネーム、など)が解説されています。

その上でワインの未来を新巨大市場、中国の現状を踏まえて(味ではなく、ブランド志向の中国人)産業の行く末を占っています。これまでアジアのワインの輸入中心地であったのは東京だったそうですが、ここ数年で香港がアジアのワイン取引のハブとなっている背景(酒税を0!にしたそうで、、)を紹介しています。

本書を読んで感じたのは、ワインがまるで金融商品と見まがうような動きをしている、そして近代のグローバル化の影響をもろにうけているなあ、という印象。もちろん、ワインも消耗品ですから(PPR総帥のピノー氏は「ラグジュアリーグッズ」といっていますが、著名シャトー当主は「ワインはあくまで農産品だ」といってます)マーケティング手法がどこまでも浸透し、ワイン産業が近代化していく様は面白くもあり、悲しくもあると感じるのは私だけでしょうか。

f0005681_22474293.jpgちなみに上記本を読んで思い出した本
マネー・ボール  マイケル・ルイス (著), 中山 宥 (翻訳)
MLBインディアンズのオーナー・ビリービーンがMBA卒の天才を雇って、確率統計から「プレーオフに出れる*」チームを作る、という話。個々の選手を統計から丸裸にして(何球目に打つ確率が高いとか、出塁率等々)”統計的に勝てる”チームつくりをする話。日本でも「野村ID野球」とか言われるやつですが、監督の戦術レベルではなく、チーム経営という戦略レベルでそれをやっているところがすごい。(ちなみに書いたマイケル・ルイス氏はかつてのソロモン・ブラザースの内実を描いた(本人もソロモンに在籍していた)”ライアーズ・ポーカー”の作者です。)
*実は本書では優勝ではなく”プレーオフ”を目指す、というところがミソになってるんですけど。ワールドシリーズ等は短期決戦=統計上有意でない、ということだそうで、、、。

どちらの本を読んでも思うのは、これまで”スピリッツ”とか”ハート”とか、いわゆる”勘”と経験に頼っていた家内制産業がデータとマーケティング重視の”普通の”産業に変わる過程が描かれていて、興味深く面白く読みました。

、、、しかし、、、パーカーポイントなんて初めて知りましたよ、、。
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by ttori | 2009-11-07 22:43 | 本 / CD / TV

ATM

風邪でしんどくて、娘と一緒に9時~10時には寝てしまう毎日、、、。

古いニュースですが、思わず笑ってしまったので。
使いすぎ?「コミケ」でゆうちょ銀行ATM残金ゼロ 身ぐるみ剥がされる!!
東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕された日本最大のマンガの祭典「コミックマーケット(コミケ)76」で、現金を引き出すために「ゆうちょ銀行」のATMに来場者が殺到して、ATMの残金が一時、無くなる「珍事」が起きた。この様子がミニブログ「ツイッター」に書き込まれ「ATM身ぐるみはがされる」「どんだけ引き出されたらこうなるんだよ!!」「お前ら使いすぎ」などと騒動になった。
<中略>
「ゆうちょATMの中身がなくなったとのアナウンス」「使いすぎだwww」「ATMの残金ゼロ吹いたww コミケはねー金が動くよねー」「1万円くらい持ってコミケ初参加→意外と買ってしまいATMにgo!、とかなのかなー」などなど。
2009年08月17日20時02分 / 提供:J-CASTニュース

確かにコミケはカードは使えないでしょうからキャッシュ必要>近くのATMへgo!となり、みんなが殺到>ATM現金底をつく、ってのもわからなくは無いですが。一日の売り上げ数億!だそうですが、売ったほうはATMに入れてない>一方で買ったほうはキャッシュをおろす、、という非対称性が巻き起こした事例だと思います。

ちなみにゆうちょのATMは沖電気・富士通・日立オムロンターミナルソリューションズ・東芝製だそうですが、筐体に製造メーカーを示す銘板が無いそうで。
ついでに調べると日立オムロンのAK-1という機器では紙幣の最大収納枚数 13,750枚とのこと。
千円札と1万円札の割合は知りませんが(<ダメ金融マン)千円札の需要が多いと考えられるので、ざっくり10対1とすると、一つのATMに入っているお金は1万円で1,250枚、千円で12,500枚(割り切れるところを見るとあながち違ってなさそう、、、。)合わせて2,500万円入っていることになります。
ちなみに上記では複数台あったゆうちょATMの一部で現金が底をついたそうですが、(他の銀行のATMもあり。もちろんすべてのATMがフルに現金を充填しているとは思えませんが)数千万円単位で引き出されたのは間違いなさそうで。
来場者は20万人!だそうで、地方から来た方を中心に実際ゆうちょATMを使ったのがそのうち1,000人だったとして、一人あたり3万円引き出すだけで一台ATMの現金を払底させることができますが、、、。

マニアの力はすさまじい、、。
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by ttori | 2009-11-06 21:16 | News



小さな窓から見上げると曇り空でも、外に出ると意外と晴れてるもんだ。
by ttori

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