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ニホンノミライ

最近政府債務についての話がかしましい。
ギリシャから始まったソブリン危機が発端だが、「日本もGDP2倍近い政府債務を抱えマジやばい」という意見と「そうは言っても国内でほとんど消化しているから大丈夫」というま反対とも思える意見が散見されますが。

ではまず事実から確認しましょう。
まず国の債務。いわゆる国・地方の長期債務は財務省によると平成20年度末で約780兆円。100兆円程度の短期債務などを含めると、全債務は1000兆円といわれます。

次にその債務を支えているといわれる、個人金融資産。日銀の資金循環表よると、2009年9月末で個人金融資産は約1400兆円。内訳で大きいのは800兆円*の現金・預貯金と、400兆円の年金・保険となります。
そして、その個人金融資産の多くが60歳以上が保有してます。*そう考えると、日本人、なんで預貯金がおおいんだろうか、という疑問も。まあ金融資産を保有しているのがほとんど高齢者、というのもあるでしょうけど。

さて、この60歳以上が保有している金融資産は今後どうなるでしょう?
この60歳以上の方、今後30年くらいで順次お亡くなりになっていきます。そのとき、当然冥土にこの資産を持っていくことはできませんので*この方々が持っている金融資産は順次次の世代に相続されていきます。これで一部相続税で国庫を潤しますが、金融資産は基本保持されることになります。
*そういや昔自分が買った有名絵画を「俺が死んだら一緒に燃やしてくれ」といって顰蹙買った方がいましたね、、、。
つまるところ、個人金融資産が預貯金・保険年金に滞留し、その資金がおもに国内に滞留し長期債務が個人金融資産の内側にある限り、なかなか海外の一部の方が期待される、「国債急落」という事態にはならないような気がします。あ、もちろん多くのお金持ちシニアな方が「これからは中国だ!」といって、はらたいらさんに全部!という勢いで預金を全部解約して中国元とか南アフリカランドに突っ込む、というのであれば事態は変わってくるかもしれませんが、、、。

さて、もしこのGDPに比して巨大な政府債務、返済しようと思ったらどうしたらいいでしょうか?
今話題になっている消費税は将来のフローも含めた今後の「フロー所得」への課税と考えられます。
一方で現在積みあがっているストック=個人金融資産へ課税する方法も考えられます。
たとえば猛烈な勢いで相続税をかけるとか。
**しかし最近思うのは、人口が減るよりも労働人口が減っていくペースが速い今後の日本の現状を考えると、消費量はあまり減らない(人口が減らない)のに労働人口が減る(供給が減る)ので生産性向上>いずれコストプッシュインフレになる、、、というのはアホな考えですか、そうですか<まあ閉じた系ではないですから(貿易がありますから)そう簡単ではないですが。

もしそうした場合、かなりの政府債務が返済され、国家債務がなくなるまで課税したとしたとき、どうなるでしょうか。
上記に書きましたが、現在の個人金融資産の多くが年配の方に保有されている=若者はびんぼー、ということです(当たり前ですが)。相続税で国家債務を返済していった場合、イメージ「日本」というビークルのバランスシートを圧縮する、とも取れます。つまり国家債務が無くなる代わりに、戦後積み上げてきた個人金融資産も吐き出し、「日本」がびんぼーになるイメージ*です(つまり本来上の世代から下の世代に相続がなくなるから)。*まあ、今も十分びんぼー、ともとれますけど。

今朝の日経には日本国債の保有の95%が国内金融機関保有という記事が出てましたが、この原資となっている多くの個人金融資産がホームバイアスで国内に滞留する限り、そしてその金額が長期債務を超えない限り、低金利は続く、ということです。

しかし、、もし私が国債安定発行をまかされた財務省の官僚であれば「海外資産投資禁止法」とか作って、資金国内に滞留するように仕向けますな、、、。
あ、現状もそうなってるって?<あほ

*逆にいうと、預貯金から資金が流失するとき>景気の回復初期が一番ヤバイ、とも取れます。国内個人金融資産って以外と足が速いイメージですので。

【追記】ちなみに上で簡単に預貯金>国債と書いてますが、現状の国債保有者は預貯金だとざっくり郵貯23%、銀行等17%の40%、また保険年金は生損保10%、簡保10%、年金15%で35%くらい、他日銀10%といったところ。
銀行の預貸比率が上がらない現状、つまり、預金=銀行にとっては負債が円貨で常に調達できてしまい、それを円貨で貸し出す先が無い場合(特に郵貯に関しては融資部隊が弱いため、円債にいってしまう)、どうしてもALM(アセットライアビリティーマネジメント:負債と資産のリスクをマネジメントすること。円で調達したお金は円で運用したほうがリスクが少ない、といったもの)の観点から円貨運用がメインになってしまいます。
上記にも書きましたが、今後労働人口の低下に伴い円貨での資金ニーズが低下する一方で、預貯金総額が変わらなければどうしてもまとまった円の振り向け先=日本国債ということになりかねません。さらに大企業の多くが手元流動性を積み上げてしまっている現状、余計に貸出先がない=じゃぶじゃぶの資金の行き先は国債のみ、、、ということになります。

【追記】ついでに書くと、現状銀行の預貸比率は7割くらい(だったはず)。だからといってどんどん唯一大きく金を振り向けられる国債ばっかり買っていると、アウトライヤー規制(単一金利リスクにリミットを掛ける規制)に引っかかるんでどっかで止まらざるえないんですけどね、、。そのうちアウトライヤー規制撤廃とかでてくるかも、ですね、、、。
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by ttori | 2010-07-01 20:46 | News

お勉強

BPのリグ爆発、たび重なる設計変更が誘発か
(前略)
BPは当初、大量の石油とガスを扱うのに十分な大きさの9-7/8インチ幅のパイプを油層に設置することを考えていた。だが、最後の部分については、7インチ幅を超える大きさのものではフィットしなかった。そこでBPは、海底から油層までたった1本のパイプを使用するか、あるいは幅の異なるパイプを2本重ねて使用するかの選択に迫られた。多くの業界専門家によると、パイプを2本使用する方法の方が、油井の外側に流出するガスに対して、防護機能が強化されるため、安全性が高いという。業界エンジニアとして長い経験を誇る米テキサスA&M大学のジーン・ベック教授は、特にBPが掘削していたような高圧油井に対しては、パイプの2本使いが「多かれ少なかれ、最も無難な方法だ」と述べる。
 だが、1本使いの方法の方が簡単で手っ取り早く、2本使いの場合よりも1週間ほど短い期間で作業を終えられる可能性が高かった。BPのディープウォーター・ホライズンの運営コストは、1日当たり約100万ドルにも及ぶ。4月の報告書で、BPのエンジニアは、油井の外側にガスが流出するすき間を残す「一定の危険性」があるにもかかわらず、1本使いの方法を「最も経済的な方法」と結論付けた。報告書には、2本使いの方法は、ガス流出を防護する機能は高まるが、油井に「安定性の問題」その他が発生した場合のみに用いる方法であると記載されていた。
 4月14日午後8時34分、BPはMMSに、油井全体に対して7インチ幅のパイプ1本のみを使用する、1本使いの方法を用いる旨を報告した。連邦記録によると、MMSは翌朝の8時13分にそれを許可した。
 4月15日午前9時54分、BPは、MMSに対して、今度は変更を行うための申請を行った。7インチ幅のパイプではなく、上から下にかけて幅が細くなっているパイプを使用しようと考えたからだ。これは、数分後にMMSによって許可された。
 さらに午後2時35分、BPは別の変更をMMSに申請した。今度は、油井に既に設置されたパイプの1つについて、”記載漏れ”を通知するためのものだった。4分半後、MMSはこの変更も許可した。
 MMSは昨年、すべての企業に対して、大幅な変更についてはすべて「文書化と分析」を要求する案を提示した。それに対するBPの当時のコメントは、提案された安全規則は不要というものだった。
 沿岸警備隊とMMSがルイジアナ州ケナーで先週開催した調査公聴会での証言によると、BPは、油井の設計変更に関してだけでなく、日々の業務計画もずさんであったことが判明した。
(WSJ 2010年 6月 1日 16:42 JST)
うーむう、、、難しい、、。
とりあえずこの際なので、原油生産について勉強しようといろいろ調べてみたのですが、、。

そもそも原油は井戸の水のように、細かい岩の間に内包されていて、そこから地層上部からの圧力により穴を通すと自然に地上近くまで上がってくる(自噴)原油井戸があるとのこと。ただ、現在は自噴井戸は減り、ポンプを使って吸い上げる方法から、”油層岩内の孔隙内に捕捉されている原油を圧入流体で強制的に置換し回収する二・三次回収技術が開発”(JOGMECのHPより)されているとのこと。例えば孔隙内に細く分布している原油を回収するために水を注入して圧力をかけたり、界面活性剤を用いたりする方法があるそうです。

現在自噴やポンプなどで生産できるイージーオイル(簡単に採掘できるオイル)はどんどん減っていき、さらに地上の油田の多くが各国の石油生産会社の国有化を経て、現在メジャーといわれる民間石油会社は生産環境の厳しい北極海やアラスカなどの局地方面への展開か、深海開発へシフトを余儀なくされているとのこと。

そもそも今回の事故は何をどう間違ったのか。
今回事故を起こしたディープウォーター・ホライズンは最新鋭の自動船位保持装置を備えた半潜水式の石油プラットフォームで、2001年に石油プラットフォーム運営大手トランスオーシャンに引き渡され運営されていました。

ところが、メキシコ湾の掘削リグ、爆発炎上の最中に「責任者不在」(WSJ 2010年 5月 28日 20:17 JST) を読むと、どうもきちんとした危機対応訓練が行き届いていなかったようで。

上記記事にありますように、工期が伸びてしまったがため、開発コストがオーバーランしていまい、安全対策が万全に行われていたとは言いがたいようです。開発工期を短縮するためガス圧チェック等をおろそかにしてしまったために起こった人災ということなんでしょうか。

金融市場的にいうと、BPはエクソンモービルなどに比べ生産コストが高い井戸が多く、また高配当をして財務圧迫していたとのこと。また、生産の2割近くをロシアのTNK-BPという子会社生産になっており、カントリーリスクが内包しているとのこと。
この原油流出事故はいまだ流出を食い止めることができず、事態は泥沼化してますが。
まあそれでもBPの時価総額は10兆円近くあるんですけどね、、。
BPの優良資産を買い叩け!という提案があっちこっちに飛び交っている悪寒。
しかし、、、金融のテクニカルタームがよくわからない、という方の気持ちがちょっとわかった気分です、、。
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by ttori | 2010-06-12 09:15 | News

けんか

米金融危機調査委員会、ゴールドマンに召喚状
世界的な金融危機について調査している米金融危機調査委員会(FCIC)は7日、金融大手ゴールドマン・サックスに召喚状を送付したことを明らかにした。同社がFCICの処理能力を超える25億ページにのぼる書類を提出したため。ゴールドマンと政府との対立が深まっている。
 FCICのビル・トマス副委員長は、ゴールドマンがFCICの処理能力が限られていることを知りながら、大量の書類を提出したと主張。今月4日に召喚状を送付したことを明らかにした。FCICのフィル・アンジェリデス委員長によると、ゴールドマンは5テラバイトの記録を提出。1テラバイト当たり5億ページ分のデジタル情報が含まれているという。
 FCICはゴールドマンの対応を「言語道断」と批判。他の金融機関はFCICの同様の要請に応じていると述べた。ゴールドマンの広報担当者は声明で「当社はFCICから求められた情報を提供してきた」と表明した。7日の米株式市場ではゴールドマン株が2.6%下落した。
FCICは召喚状で、ゴールドマンのブランクファイン最高経営責任者(CEO)、ビニアー最高財務責任者(CFO)、コーン最高執行責任者(COO)との面会日を設定するよう求めている。
[ニューヨーク 7日 ロイター]

ゴールドマン「え?書類出せって言われたので出したんですけど、なにか?」

いやー、完全に喧嘩売ってますね。まあ、「理不尽なことで訴訟されたらとことんまで戦う」という姿勢はわからんでもないんですけど(下手に罪を認めて和解しようものなら、株主代表訴訟に耐えられなさそうですし)。
しかし5テラバイト、25億ページ分だそうですよ。ある種サイバー攻撃ですな(笑)。

とはいえ、その応対というか戦い方はどうみても子供の喧嘩にしかみえません。もちろん相手の議員や検査当局も「しごくまっとうな」ロジックでなく、半分難癖にちかい訴えだったり商品性やマーケットについてマッタク理解も知識もないような方が多いので、どうしても「相手の目線に降りて」戦わざる得ない、というのもわからんでもないんですが、、。

今回の訴訟に対して「(理不尽な訴えに対しては)全社スクラム組んで戦い抜く(ハドルを組んで)」という風に社内で言っているようですが。ただ、政治というのは時として理不尽であり、そして訴えている「彼ら自身が」ルールメーカーであるという一面もあります。その上、当局は時として企業を直接「潰す」事もできるのです。確かに今回の訴訟が金融改革法案を世間受けさせるための一つの議会側の戦略であるという面も捨てきれないともおもいますが(ゴールドマンもそこはきちんとわかっていると思います)。

ただそれをしても、あまりに対応がお粗末な気がします。もちろん百戦錬磨の企業ですから机の下で握手しているのかも知れませんが、どうも最近ゴールドマン、ボタンの掛け違いというか、トップが斜め45度方向に逝ってしまってる気がするのは私だけですか、そうですか。
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by ttori | 2010-06-08 20:19 | News

法案通過

不気味な下げ方、、一部では欧州で今週末に金融機関が破綻するとかいろんな噂が飛び交っているようですけど、、、。

米上院:金融規制改革法案を可決、下院案と調整へ(Update4)
米上院本会議は20日夜、金融規制改革法案を可決した。同法案は米金融業界の監督体制を抜本的に改革するもので、消費者保護庁の新設のほか、デリバティブ(金融派生商品)の規制強化や銀行の自己勘定取引禁止が盛り込まれている。 採決の結果は賛成59、反対39。下院は昨年12月に独自の法案を可決しており、今後調整作業が行われる。民主党のリード上院院内総務(ネバダ州)は採決後に、「この法律が成立すれば、ウォール街の無謀な行動に終止符が打たれるだろう」と語った。
  同法案には、破たんの危機にある大規模金融機関を清算するメカニズムのほか、米経済への脅威となる企業を監視する委員会の創設など、米金融業界に大きな影響を及ぼす措置が盛り込まれた。最も強硬な条項の1つは、銀行にデリバティブ(金融派生商品)部門分離を義務付ける案で、同案に対してはバーナンキ米連邦準備制度理事会 (FRB)議長が反対を表明しているほか、金融業界も激しいロビー活動を展開した。
  上下両院の交渉担当者の協議事項の1つは、デリバティブ条項となる。上院案がFRB内に創設するとしている消費者保護庁案も検討される。消費者保護庁には不当な融資を禁止する規則を策定し、実施する権限を付与するとされている。
5月21日(ブルームバーグ)

今回詳しい内容に関してはこちらがまとまっているようです(ただ、毎日猫の目のように内容が変わっているようですが、、)。

金融機関の方が気にされるのはいわゆる「ボルカールール(銀行のHF投資やPEファンド投資禁止、自己売買禁止)」といわれる条項。ただしこの条項は上院の案にしか入っておりません。今後上院と下院が法案を刷り合わせた上で、最後にオバマ大統領が署名し発効します。

で、今回争点となっている大きな点をいくつか。
まず上記にもありましたが、いわゆる「制度アービトラージ」といわれる、制度や監督官庁の隙間を狙ったような会社組織をふさぎ、監督官庁を連邦で一体化する、という点。さらに隙間になっている大手ヘッジファンドを登録制にして実態を把握できる体制にすること。

次にデリバティブの透明性の確保。これまでデリバティブのほとんどがOTC(Over the Counter)といわれる、相対取引で行われています。これはISDA(インターナショナル・スワップス・アンド・デリバティブス・アソシエーション)といわれる、世界的な銀行のデリバティブ担当者の集まりで、「銀行同士で取引をするときはこの契約を使いましょう」という雛形の契約書(マスター・アグリーメント)があることが大きい。この契約書が取引の土台となり、その契約書さえ合意していれば後は電話一本、コンファメーションといわれる簡易な書類一つで取引ができます。
ただ、このOTCデリバティブに関してはリーマンショック時にカウンターパーティリスク(取引相手が潰れるリスク)が顕在化してしまったことを踏まえ、この取引を取引所取引に移管すること。この意味はこれまで取引相手は例えばあるファンドのデリバティブの商品の売り手がゴールドマンで、価値が上がって利食いしてポジションを閉じた相手がJPモルガンだったりする場合があり、その場合エクスポージャーはなくなっても取引相手(カウンターパーティ)が破綻するリスク(カウンターパーティリスク)が残ります。ところが取引所取引では取引相手が必ず証券取引所になりますから*(その先にほんとの売り手・買い手がいますが、、、)、もし取引所で買って、取引所で売れば、完全に取引を終わらせることができます。
*まあこの場合証券取引所に巨大なカウンターパーティリスクが発生するんですけどね、、、(ただし、取引所は取引成立から数日で決済を行うため、断面断面でみるとカウンターパーティ・リスクは蓄積しては行きません。上場デリバティブ(先物など)も3ヶ月という期限が短いパターンがほとんどですし)。巨大資本をもつ銀行とあまりキャピタルのない証券取引所(そして多くの取引所は上場して利益は株主に還元してたりします)とどちらが安全か、一概にはいえないとも思いますけど。

また、スワップを行う部門を銀行から切り離せ!という条項もあったりします。(ただ、現状多くの会社がカウンターパーティリスク遮断のため、デリバティブブックを持つ子会社をもってたりしますので、そこにデイーラーを片寄せするんですかね)。

さらに金融機関破綻ルールの制定。現在TARPの記憶からか、「too big to fail(大きすぎてつぶせない)」と思われている金融機関に関しては政府がシステム保護のため大手銀はつぶせない>いざとなれば政府が救済するだろう>政府の暗黙の保証で、信用力アップ>調達金利低下となっていると目されています。もしこの適用を「しない」と法案で宣言してしまうと、暗黙の政府保証がはずれ、それを織り込んでいる格付けが下がる可能性があります。

シティなどは「もし格付けが下がると大変な資金が必要になる!」と警告してますが。
デリバティブ契約では、その取引を行うにあたって格付けの低い方が格付けの高いほうに担保を差し入れていますが、相手の格付けが悪化した場合、取引を打ち切ったり、割り増し担保を請求することができる条項がはいっています。
例えばシティが抱えているオフバランスのデリバティブ契約は天文額的金額になります。もちろん多くの契約が売り買いネット(相殺)されていますから、エコノミーとしては「ゼロ」と見えます(なぜこんなことになっているか、というと、OTCデリバの場合売りを行った相手と買いをしてヘッジした相手が違うと相殺できないため)が、格付けがさがると「グロス」の残をみて担保を確保しなければならない事態に陥ります。
一部の方が書かれていましたが、この「too big to fail」を否定する、ということは今後は「どんな金融機関でも潰れる可能性があります」といっているに等しい。つまり格付けが下がる>担保やらなんやらでさらに資金確保が必要***>外に出す金なんてネエ!ということで、デレバレッジ(貸し渋り)を引き起こすことになります。
***ここで注意が必要なのは担保は格付けが下がってしまうと一方的に売り買い両サイドに積み増さなければならない、という事。さらに格付けって上がるときはなかなか上がりませんが、下がるときはあっという間に数ノッチ下がってしまいます。

さらに調達金利が上昇しますので、確実に利ざやが減っていきます。もちろんイールドカーブ(利回り曲線)次第なのでなんともいえませんが、、(商業銀行の多くが短期資金調達(預金)でお金を調達し、長期貸し出しなどで資金運用をしている)。

ただ、ボルカールールを含め最終的な法案の姿はまだまだ全貌**が現れていません。
金融機関にとっては核爆弾クラスの法案ですから、関係者は息をつめてその行方を見守っていると思われます。
**ちなみに当初「そんなむちゃくちゃなことにはならんよ」とタカをくくっていた関係者もまさかここまで大変なことになるとは思っても見なかったと思います。しかし、老いたとはいえさすが老練なボルカー先生、法案実現にむけ押さえるべきツボはきちんとおさえている印象がありますな、、。
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by ttori | 2010-05-21 23:40 | News

話題いくつか

昔のニュースですが。
郵貯マネーで地方公共投資 財投復活? “先祖返り”批判も
郵便貯金の預け入れ限度額が1000万円から2000万円に引き上げることが決まったことで、鳩山由紀夫首相や亀井静香郵政改革担当相は31日、郵貯資金の使途について地域活性化を促す公共投資などに使う考えを示した。地域金融機関をはじめとした「民業圧迫」との批判に応えたものだが、官の肥大化により家計の資金を政府支出に回せば無駄な公的支出につながるとの批判も出ている。
【4月1日8時16分配信 フジサンケイ ビジネスアイ】

むかしSWFのエントリーを書いたときに
「所詮SWFは”国が運用する”資金です。通常、税収はこれまで営々と築きあげてきた”前例”がありますので、なかなか政治家が自由に出来るお金がない。そこに10兆円という途方もないお金が注ぎ込まれる。なんせ”10兆の33%はなんでもあり”ですから。ビルたてようが、道路作ろうが、コモディティに入れようが、個別の株に注ぎ込もうがかまわないということです。
もちろん、利権といっても、運用会社の採用に政治家が口利きするとかビル建てさせるとか、地元に道路を引くとか、そういうことはなかなか難しい、とは思いますけど、例えば選挙前にこのSWFを使って株を買い上げて”株が上がったのは私のおかげだ”とか言い出す政治家が出てくるとか。日銀の国債引き受けの別働隊扱いされるとか。」
とかきましたが、郵貯、簡保といったさらに規模を巨大化したところで実現しそうとはorz。

なんだかこれを実現しようと走り回っている(所属党まで変えてしまった)議員の方、(投資銀とかに見せられて)巨大マネーを振り回したいだけにしか見えません。それも「国益実現」という薄っぺらい衣をまとって(何をもって国益なのかしりませんが)。
もちろん公共ファイナンスが全てダメだとは思いません。ただ、「戦略」の二文字は曲者で、そもそも戦略(成長戦略やら産業育成等々)があって初めてファイナンスの話が出てくるのが筋ですが(しかもその戦略が正しいかもわかりませんが)、その戦略がマッタクみえない(あ、票を買うために地方に金をばら撒く、という戦略はありそうですけどね。)。リスク無視して「中国やインドに投資」って絶対リターンだけ注目して「こっちのほうが儲かりそうだ」って参入するのはおっしゃっている個人のポートだけにしてほしい。
著名ブロガーさんがお書きになっていますが、世界のSWFの例を見ても「不透明な」マネーフローは不正やマネーロンダリングといった温床となります。それは投資は基本自分のポジション(手の内)を見透かされると足元をすくわれる、と考えられるから、なるたけマネーの投資先を不透明化しようとする圧力がかかるからです(国家予算は(税収による公共投資なども含めて)投資・資金調達(国債発行等)と捉えればかなりマネーフローが透明化されています)。だからこそ投資ガバナンスの仕組みが大切なのですが、その議論はおざなり、、、、。「中国インドといったエマージングへ投資か否か」みたいな話だけでなく、ポートのリスクや目標リターンの関係といった基本的議論はきっちりなされていると思いますが、、、。
さらに中東等の産油国のように石油マネーフローから積み上がったある種「国の」マネーではなく、郵貯簡保やGPIFのマネーはあくまで国民国家に所属していながら基本「個々人の」財産・年金資金であるはずです。もしほんとにやりたいなら、外貨準備=外為特会のドルを使うのが筋ではないでしょうか。

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皆様のご想像通り買ってよんでます。
ので紹介のみ。f0005681_8421423.jpg
アイム・ファイン!  浅田 次郎 (著)
「つばさよつばさ」に続く、JALの機内誌skywardに連載されているエッセイの単行本化。とりあえず休みにぼんやり日向ぼっこ+ビールを飲みながら読む一冊だと思います。、、、今日は窓のそと雪景色ですけど、、、。

しかし引越しの際、前に引っ越すときにほとんど売ったにもかかわらず、その後数年で積み上がった本数百冊(しかもほとんどハードカバー)をbo〇k〇ffに売ったら3万程度にしかならなかった、、orz。(しかもその3万の内訳で結構な比重をしめているのはファイブスター全巻とか、いまどきの子供全巻とかだと思われ、、)
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by ttori | 2010-04-17 08:09 | News

統計(追記あり)

統計というのは普通に考えられるより予想外に難しいものなんですが。
これはひどいと思うんですけど、、。

7―9月GDP、0.6%減だった4.8%増から修正3回
 内閣府は11日、2009年7~9月期の国内総生産(GDP、季節調整値)が物価変動の影響を除いた実質で前期比0・1%減、年率換算で0・6%減のマイナス成長だったと発表した。
 7~9月期のGDPは、昨年11月発表の速報値では年率4・8%増だったが、同12月に1・3%増、今年2月に0・0%増へと下方修正されていた。今回、3度目の下方修正でマイナス成長に転じたことで、GDP統計の信頼性がますます揺らぎかねない状況だ。
 下方修正の理由について、内閣府は、製造業などが抱える在庫を示す「民間在庫」の計算で季節によって大幅に変わる要素を取り除いた結果、数値が引き下げられたと説明。09年後半以降、景気が回復基調にあるという見方は変えないとしている。
(2010年3月11日 読売新聞)

速報で年率4.8(四半期で1.2)%>1.3%>0.0%と来て最後はマイナス0.6%。特に7~9月期はリーマンショックからのリバウンドで高めに出る、という話ではあったとは思いますが、、。

ちなみにこちらで一次速報と二次速報の違いが書いてあります。
要するに一次速報は設備投資や在庫統計をモデルで推計して計算して、二次速報は法人企業統計などの調査を加味して推計したものなんですが。

確かにリーマンショック後に急激な在庫調整や投資抑制(派遣切りとか話題になりました)があり、その後のリバウンド局面で急激にもどったりしたので、過去時系列推計だとうまく捕らえきれないんだろうなあ、と思います(そもそも鉱工業生産指数とかも過去無かったような爆落>リバウンドをしたり)。それこそあれだけ巨大な国土と人口の統計なのに、たった一ヶ月でGDP成長率8%達成!!ときちんと出してしまう中国(そして誰もその怪しさに疑問を呈さない)に比べてコンマ以下の話ではあるんですけど。

ちなみに政治家の方はこの統計を元に「景気回復してます」とのたまっていたわけで。投資家に誤解を与える情報を流していたともいえます。ただまあ日本人、悲観的過ぎるから上方にぶれさせて「気分だけでも」景気回復してもらえれば、実際に景気回復するかも。
景気は気から、といいますし。

、、、ダメですか?<あほ

【追記】東京株マーケット、、日中ボラなし。死亡中。とりあえず来週の日銀の政策決定会合で新たな量的緩和(?)策が出てくるかが焦点。とはいえ、2年国債も残存3年も利回り20bp以下に潰れている現状、何を期待しているか不明。ただ、外人に対してこの「金融緩和」と言う言葉は魔力があるようで、前回の量的緩和アナウンス時点も外人大幅買い越し。このまま日経高値で期末を迎えるか?との期待感が高まり、、。
海外では昨日出たリーマン破綻のレポートが話題。特に話題は「レポ105」取引。基本的にレポ、レンディング(貸借)取引は法律上、売却に準ずる取引としてBSには計上されます(つまりBSから貸し出した証券は売却したものとして切り離される)。それを悪用して(つまりサブプラ債券などをまるでみずからのBSからはずしているよう)BSをきれいにみせていた、との見方。要するに会計上の穴をついていた点はかつての日本の飛ばしと似ていますが、違いはBS上の会計でレバレッジレシオや各種数値をきれいに見せていたのか、PLまで操作していたのか。後者はその後の配当とか様々な法律の問題を引き起こす点でしょうか。(ちなみにSIVにしても同じで自らのBSから各種エクスポージャーを切り離したように見せるための装置の一種のようでしたし。なぜそんなことをするのかというと、銀行はBIS規制で自らの資本に比してしかBSをもてないから。)
株がらみでいえば過去、某テレビ局の株を大量保有するラジオ局の株買占めでそのラジオ局がもつテレビ局株をレンディングに出して議決権を第三者に逃がしたり、「エンプティボーディング」といわれる株のエコノミーははずしているけど、株主議決権だけ持っている大株主とか話題になりましたが。
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by ttori | 2010-03-11 22:19 | News

場外乱闘

カネがないなら島を売れ=財政危機のギリシャに-独
財政危機に見舞われているギリシャはエーゲ海の島を売却し、赤字を穴埋めするべきだとの議論が、同じユーロ圏のドイツで浮上している。あまりに無神経な提案に、「両国間の世論が険悪になる」(独紙)との懸念もある。独大衆紙ビルトによると、与党の一部政治家らが「破産者は所有物で金をつくらなければならない。ギリシャには借金の形にできる無人島がある」などと語った。ギリシャには3054の島があり、うち人が住んでいるのはわずか87という。
 市場では、ギリシャが国家破綻(はたん)の瀬戸際に追い込まれれば、ドイツを中心とするユーロ圏諸国が救済せざるを得ないとの観測がある。ただ、放漫財政のツケが回ったギリシャへの「血税」投入にドイツ人の反発は根強い。ギリシャのパパンドレウ首相は5日、メルケル独首相との会談後の記者会見で、「われわれは主権国家。島売却など問題外」と、余計な提案を一蹴(いっしゅう)した。 
【フランクフルト時事】(2010/03/06-07:22)

なんだか表題なんぞ特に日本の某消費者金融のイメージで語られてますけど。財政赤字を垂れ流してきたギリシャに対し、ドイツなどが「なんで俺達の税金を投入せなあかん」(<なぜ関西弁、、)って感じで、ギリシャは国有資産を売ってすこしでも財政赤字を減らす努力をしろと。
ただまあこの”島”が必ずしも国有だとは限らんのですけどね、、。
とりあえずぎりぎりまで努力する姿を”見せる”ことが重要かと。
50億ユーロのベンチマーク債の起債に成功したので、なんだか場外乱闘ぎみになってきてはおりますが。

しかし、こういう議論を見てると某極東の島国は平和だなあと。
債務がGDPの2倍近くに膨れ上がっても、対外債務ではないので喫緊にどうにかしなければ!という危機感は世間一般では微塵も感じられません。

まあキャッシュがまわっているからいいという話でおしまいなんですけどね。
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by ttori | 2010-03-08 22:32 | News

ニュースの閾値

住商、JCOMにTOBへ=主導権確保、KDDIに対抗
 住友商事がケーブルテレビ最大手ジュピターテレコム(JCOM)のTOB(株式公開買い付け)実施に向け最終調整に入ったことが9日、分かった。JCOMをめぐっては、KDDIが先月下旬、米メディア大手からJCOM株を大量取得すると発表。第2位株主の住商は経営の主導権を確保するため、筆頭株主を目指してTOBで持ち株比率を引き上げる。(2010/02/09-20:15)

TOB規制の解釈の違いでミソがついてしまったKDDIによる、ジュピターテレコム(JCOM)への出資。
上場会社の三分の一以上の株を買い付ける際はTOBをしなければならない、という条項に抵触しないようにKDDIは三分の一以上の株式取得を断念して、その残りを元々の株主、住商が買い取る、という話ですが、、、。


、、そしてこの話(住商によるTOB)を一番最初にすっぱ抜いたのが読〇新聞。
というか個人的な感じとしてニュースの真偽に対する信頼性、という意味で〇売新聞は「そんな話はマッタクない!」と会社側に朝いちでそっこー否定されることが多い気がするのは私だけでしょうか。
、、、と、この新聞社の記事に対して妙に斜にみてしまう癖がある私はダメですか、そうですか。

まあ、「にっけいしんぶんの読み方」的記事を載せてしまう産〇さんやら、あんまり経済の記事で「すごい!」とおもう記事が少ない朝〇さんに比べればマシな気がしますが。
一方で日〇の大機小機みたく怪電波を発するクオリティペーパーもあるので全体的に一長一短だとおもいますが、。

まあ必要なのはメディアに対する健全な(<?)猜疑心・リテラシーでしょうか。<あほ

【追記】仕事から帰って疲れてみると本気で涙が出そうになります。
FUNKY MONKEY BABYS「ヒーロー」
日テレの羽鳥アナが出てます。
♪最寄り駅の改札を抜ければいつもよりちょっと勇敢な父さん
Daddy その背中に愛する人の声がする
~ 家族にとってのヒーローになるため転んでも立ち上がるんだぜ
 明日の見えない日本の夜に それでも陽は昇るんだ♪
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by ttori | 2010-02-09 22:43 | News

日航

政府、日航支援19日に正式決定
日本航空の経営再建問題で政府は、企業再生支援機構による支援決定の日程を、来週19日とすることを正式に決めました。  「(総理からは)遺漏なきように準備をして、飛ばし続けながら再生を行うということに万全を期してほしいということでした」(前原誠司 国交相)
前原大臣は15日夕方、鳩山総理と会談し、日航による会社更生法の適用申請と企業再生支援機構による支援決定の日程を来週19日とすることを正式に決めました。
(TBS News 15日20:36)

、、このニュースを読んで、「何で政府が会社更正法適用申請の日程を決めるんだ?」と思った私はニュースをきちんと追いきれてないですか、そうですか。
まあJALの人達は当事者ではなくなったということですな、、、。
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by ttori | 2010-01-15 21:56 | News

マネーフロー

エンブラエル:中国国家開発銀行と最大22億ドル融資の覚書に調印
世界4位の航空機メーカー、ブラジルのエンブラエルは、中国の政策銀行である中国国家開発銀行(CDB)傘下のCDBリーシングと、最大22億ドルに上る航空機ファイナンスおよびリースに関する覚書に調印した。 エンブラエルの10日付発表によると、この覚書は今後3年間にわたる貸し付けに関するもので、中国内外におけるエンブラエルの資金調達の機会増大を目指す。
この発表によると、CDBはエンブラエルから直接ジェット機を購入し、リースを行う可能性もある。エンブラエルは中国の哈爾濱航空工業(集団)と合弁事業を展開する。
12月11日(ブルームバーグ)

お金があるところは、リスクも取れる、ということでしょうか。
かつて新興国ファイナンスといえば先進国の専売特許的な側面があったと思いますが、現在ドルを溜め込んでいるのは中国を中心とした新興国。ドバイがつまずいた後、「次はギリシャとポルトガル」という方が多かったと思います。「まるでアジア通貨危機のようだ」とおっしゃった方もいました。でも当時と違う点は、今回の危機が言われる国は多くのドルを溜め込んでいる新興国であり、またユーロに組み込まれた国です。

ちなみにギリシャの主要産業はこれを見ると観光業と海運業という「シクリカル」産業で、さらに海運で儲かった資金が「不動産」につぎ込まれ、これに地元の「銀行」が過大に貸し込んでいた、という典型的バブルコースだったようで、、(ちなみに今バルチック・ドライは反発してますが、海運業は過去の過大投資で最悪な経済環境だそうで、、、。ギリシャの海運業はかつての海運王アリストテレス・ソクラテス・オナシス(ジョン・F・ケネディの未亡人であるジャクリーン・ケネディと結婚して有名←しかしすごい名前ですなあ、、、。)以来の伝統産業で、前回の好況期に国を挙げて後押しした産業だそう)。
とはいえ、ギリシャはEU加盟国。これでユーロに対する信認がどうなるか、興味深い点です。

ともあれ、個人的には「アジア危機のときと比べて、ファンダメンタル的に同じ事態にならない」と思う私は楽観的過ぎますか、そうですか。
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by ttori | 2009-12-13 11:09 | News



小さな窓から見上げると曇り空でも、外に出ると意外と晴れてるもんだ。
by ttori

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