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ロンドンホエール、捕鯨ほげー!(一部追記しました)

米JPモルガンの巨額損失に「ロンドンのクジラ」関与、CEO認める
米銀大手JPモルガン・チェースが、ヘッジ戦略の失敗により少なくとも20億ドルの損失を出したことについて、ダイモン最高経営責任者(CEO)は、「ロンドンのクジラ」と呼ばれるトレーダーが関与していることを認めた。このトレーダーはロンドン拠点に勤務するブルーノ・イクシル氏で、同氏の取引をめぐって米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙が前月報じていた。JPモルガンは英金融サービス機構(FSA)に情報開示を行っているが、関係者によると、情報開示は規制に基づいて行われており、現時点で当局が何らかの行動に踏み切る気配はみられていない。イクシル氏はフランス人で、1991年に工学・技術系教育機関のエコール・サントラル・パリを卒業。市場では大規模な取引ポジション保有で知られている。関係筋によると、同氏は巨額損失を出したチーフ・インベストメント・オフィスのクレジットデスクを率いていた。同氏からのコメントは得られていない。

 イクシル氏の元同僚によると、同氏、および同氏が率いるチームは自己勘定取引には関与していない。また、このチームの業務内容についてはJPモルガンの経営トップが把握しているという。 

 元同僚は「チーフ・インベストメント・オフィスは、自己勘定取引は行っていない。JPモルガンのバランスシートのリスク均衡化を目的に、投資、取引、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)などでポジションを取っている」と述べた。そのうえで、「情報は経営トップからもたらされる。イクシル氏レベルのメンバーが全体像を知らされていたとは、到底考えられない」と述べた。チーフ・インベストメント・オフィスは、ドルー最高投資責任者(CIO)が統括している。チーフ・インベストメント・オフィスに勤務した経験のある人物によると、イクシル氏は同オフィスにそれまでにはなかったクレジットデスクを率いるために同オフィスに異動した。 
 この人物は、同デスクはその後、経営陣が厳しく管理するクレジットポジションを数年間で大きく積み上げ、今回明らかになった損失はこうした取引の失敗によるものとの見方を示している。関係者によると、チーフ・インベストメント・オフィスの規模は過去5年間に急速に拡大。現在はコモディティ(商品)以外の幅広い金融商品の取引を制限なく行う権限を与えられているという。 

 クレジット市場のトレーダーによると、JPモルガンのチーフ・インベストメント・オフィスに相当する部門は、他の銀行にも存在する。フランスの大手行をはじめ、米シティグループ、ドイツ銀行、スイスのUBSも類似の方法でリスクをヘッジしているとみられている。 
【ロイター 2012年 05月 12日 02:00 JST】

マーケット事件簿の続報、次はあっという間にロンドンホエール(ロンドンの鯨)さん。
結局4-6月期で20億ドル!の想定ロス(まだ確定してないので、現状8億ドル程度のロスになりそう、との報道、また7-9月期に10億ドルの追加ロス想定)となりました。太陽王とあだ名される、これまで様々な苦境をうまくすり抜けてきたJPモルガンのダイモンCEOにとっては珍しいしくじりですね。

報道を追っかけてみると、JPモルガンのイナ・ドルー氏が率いるチーフインベストメントオフィスは預金と融資の差額分の余剰資金を使い儲けましょうという部署で、日本のメガバンクだとJGB等を扱う市場部門と同等と思われます。そのCIOオフィスはクレジットのエクスポージャーのヘッジを狙ってCDSインデックスポジションを積み上げ、その後大きなドローダウンを起こしたとのこと。

問題は流動性がなくなり、ポジションがアゲンストにもってかれて大きなロスをだしたとの事ですが、流動性っていうのは結構難しくて、移ろいやすいものです。こないだまでは大人気ですさまじいばかりの流動性があったものが、次の瞬間あっという間に需要が蒸発し、全くといっていいほど流動性が供給されなくなったりします。もちろんJPモルガン自身のディーラーも建値(マーケットメイク)するんでしょうけど、ディーラーだって人の子、保身でbidを引くこともしたでしょうし、OTCデリバティブですから相手方となったと思われる各社(GS、MSなど)も報道を契機に一斉にbidを引いて、流動性が枯渇した可能性もあります。

今回も結局「マーケットに比してポジションを取りすぎた、」という側面もあるんでしょうけど、個人的には「鯨がピラニアの大群にしてやられた」というのが正しい気がします。

もちろんこれでJPモルガンが潰れるとかそういうのは全くといっていいほどないでしょうけど、これまで”世界一の銀行”、”世界一のバンカー”と言われ、議会の規制強化派と真っ向勝負していたJPモルガンとダイモンCEOにケチが付き、銀行規制派が勢いづいたのは確かだと思います*。
(実際昨日のNYで大手金融株が軒並み急落しています)
*ちなみに昨日段階でSEC、FRB、CFTC全てが調査に入り、さらにフィッチが格下げ、S&Pが見通しネガティブと、まーみなさん動きがはやいですねぇ(棒)

これがさらなる規制を呼び起こし、銀行業がさらに低収益性へと向かう、大きな転機となるのでしょうか。

【追記】追加で何点か書きますと、以下2点が論点になってます。①本件はいわゆる”商業銀行”のリスク管理と余資運用の一環で取られたポジションで、投資銀行のプロップトレーディングとは若干はなしが違う点、②いわゆるVar(バリュー・アット・リスク)の計算を間違えたのではないか?という点。
まず一点目は、いわゆる預金超過の場合、なんらしかの運用をしなければならないバンキングの世界で、銀行全体のBSリスクを見ながらポジションを取るのはなんら不思議ではなく、今日本のメガバンクの多額のJGB(日本国債)が問題になってるのも同じ根っこのはず。じゃあiTraxxの変わりにトレジャリーを買うのが今ほんとにリスクリターンとして間尺にあうのか、考えなければならないと思います。2点目の点はかなり難しい。こちらのかた(厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)さん)もかかれてますが、VaRの本家本元、リスクメトリックスを産み出したJPモルガンがうまくリスク管理ができなかったのでは?との論点。
# by ttori | 2012-05-12 09:57 | Market(マーケット事件簿) | Trackback(1) | Comments(0)

ロンドンホエールが吠える

JPモルガンのトレーダーの持ち高でクレジット指数ゆがむ
米銀大手JPモルガン・チェースで企業の財務力に関連するデリバティブ(金融派生商品)を扱っているトレーダーが非常に大きなポジションを取り、10兆ドル(約813兆円)規模の市場で価格をゆがめている可能性がある、と外部のトレーダーが語った。 取引相手となっているヘッジファンドやライバル銀行の5人が匿名で語ったところによると、このJPモルガンのトレーダーはロンドン在勤のブルーノ・イクシル氏。同氏が専門にしているのはクレジット・デリバティブ指数で、企業のデフォルト(債務不履行)の可能性に賭ける市場としてはこの10年で社債を追い越して最大規模になっている。 投資家の間では、イクシル氏の取引が価格をゆがめている可能性があり、多額の債券保有のヘッジとしてクレジット・デリバティブ指数を利用している債券保有者に影響を及ぼしているのではないかとの不満が出ている。アナリストやエコノミストもクレジット市場のリスク認識を測るのにこの指数を利用している。 イクシル氏は自己ポジションを他のトレーダーにほとんど明かしていないが、他のトレーダーはこれらの取引の反対の立場を取っており、同氏の注文はこれまで出合った中で最大の規模だという。2人のヘッジファンド・トレーダーはイクシル氏が市場に参加したとディーラーから告げられた際に、異常に大幅な価格変動が見られたと述べている。(中略)格差が縮小することに賭けていた一部ヘッジファンドは価格差の持続にいら立っており、一部のトレーダーはイクシル氏がいずれ一部の持ち高を清算するとみてポジションを追加したという。

イクシル氏は顧客に代わって証券を売買するトレーダーとは異なり、同行財務部の傘下にある市場リスク管理と余剰資金投資を担う部門であるチーフ・インベストメント・オフィスに勤務している。広報担当のエバンジェリスティ氏によれば、同部門は「長期の組織的な資産負債管理に重点を置いており、短期的な利益を重視してはいない」という。
(中略)
クレジット指数市場の規模や構造を理解している複数の関係者が取引や価格の動きから推定したところでは、イクシル氏はマークイットCDX北米投資適格指数シリーズ9で1000億ドルのポジションを積み上げた可能性があるという。  4月6日(ブルームバーグ)

うーん、、、微妙です。。

ちなみにこの件のトレーダー、JPモルガン・チェース銀行ロンドンのCIO(チーフインベストメントオフィス)に所属しているようで、投資銀行のトレーダーとはまた若干違う立場とのこと。

多分有名な藤巻さんもこの部署所属だったと思いますが、このオフィスは要するに”プロップの中のプロップ””なんでもあり”の、バンキングサイドの有り余る余剰資金を使ってALM的観点から儲けましょう、という部署だと思われます(こちら)。そしてJPモルガンチェース銀行全体の巨大なBSクレジットリスクを考えながらポジションを取るとすると、これくらい(8兆円)はポジションをとってもおかしくないと思われ(それを言い出すと日本のメガバンクの国債やスワップポジションなんてもっと大きいです)。特に北米企業向け融資を多額に抱えているでしょうから、ALM的観点からクレジットリスクヘッジを自分とこの収益に直接的に影響を及ぼすくらいポジションを持とうとするとこれ位はもたないとダメだと思われます。

もう少し突っ込むとすると、この文句言っているHFトレーダーも微妙です。もし価格がゆがんでいると思うのならば逆ポジションをとればいいだけの話。どうもコメントだけ見てると実際に逆ポジションをもっていると思われどう見てもポジショントークです、ありがとうございました、という世界。まあ、Bloombergを使って自分に有利な方向にもっていこうという意識が堂々と見えてなんだかなー、とは思います。しかも文句を言ってる原因は”格差が縮小することに賭けていた一部ヘッジファンドは価格差の持続にいら立っており”って、普通なんのこっちゃ?って感じ。個人的推測ですが、確かMarkitのシリーズっていわゆる単純平均ウエイト指数だったような気がするので、まあ要するに単純平均指数なんで、リクイディティがなかったり市場規模が小さい銘柄までインデックス投資で一切合財買われて、指数構成の各銘柄の値付けが歪んで(多分)ファンダメンタルドリブンのHFマネージャーが特殊需給で持ち上げれらて損して、文句を言ってるだけでは?とも思え。株だってインデックスの入れ替えイベントプレーとか普通にされますし、何をいわんや、という感じですが。

しかし最近こーいった話はJPモルガンばっかりですな、、、。昨年出てた銅市場での買占め事件といい、最近なんだかJPモルガンが池の中の鯨と化してマーケットで暴れてる印象。こないだの部門別の収益状況をみても、債券分野では一人勝ちの様相を見せてますし、ちょっとしたこうした動きはたたかれやすい状況なのかもしれません。
# by ttori | 2012-04-09 21:53 | Market(マーケット事件簿) | Trackback | Comments(0)

投資銀行の裏側

見ていて興味深かったので備忘録。

JPモルガン:信用やスワップ、主要なトレーディング収入源
米銀JPモルガン・チェースは、金利スワップやクレジットなどが同行のトレーディング事業で最大の収入源になっていると明らかにした。通常は非公開とされる内訳を公表することで、大半の米ライバル行と一線を画した。JPモルガンは28日、投資家向けプレゼンテーションで、クレジット取引による収入は標準的な四半期で3億7500万ドル(約300億円)、金利スワップと外国為替のスポット(現物)および先物取引はいずれも3億5000万ドルだと説明した。現物株取引からは約3億2500万ドル、資産担保証券では四半期ベースで3億ドルの収入があるという。一部の欧州の銀行はトレーディング部門内の規模が大きい分野の収入を発表するが、米銀が同事業内の収入構成を数値化することはほとんどない。ウォール街の大手5行ではトレーディング事業の収入が総収入の約4分の1を占める。JPモルガンの2011年のトレーディング収入は202億ドルだった。
2月28日(ブルームバーグ)

世界的トップバンクのJPモルガンの投資銀行部門のトレーディングレベニュー(収入)のざっくりとした内訳が出てたので皆様へー、とかほーとかいいながら見てみましょう。詳細はこちら

FICC世界トップのJPモルガン、昨年のトレーディング収入はトータル202億(約1.6兆円)。うち7割がFICC。資料の7ページめにそのトレーディング事業の概要が出ています。これによると、グローバルでのトレーディング部門のセールスは2500名、トレーダーは約2000名程度*(あとIBバンカーが2000名程度)。特に世界1位のFICC(債券、為替、商品)部門が7割の収益をたたき出しています。この比率はUSのライバル、Goldmanやモルガンスタンレーに比べて株式部門のレベニューが低い(実際資料にはJPモルガンの株式部門のランキングがキャッシュ・エレクトリックで4位と9位で軒並み1位のFICCに比べて低位になっています。
*一般の人は人員が意外と少ない、との印象をもたれるかもしれません。よく話題になるトレーダーなんて、グローバルに多く見積もっても全金融機関で数万人くらいしかいないんだろーなー、と思います。

デスク数(いわゆる商品区分)は110程度。レート(金利)分野ではガバメント(政府債)とか、スワップとか、先物、オプションデスクとか。またコモディティや為替分野でも様々なデスクがあります。これから逆算すると、1デスクあたりの人員はセールス、トレーダー合わせてグローバルで40名程度、レベニュー平均は$180mill(150億程度)、一人当たり4億弱の年レベニューになります。

そして各分野あたりのレベニュー内訳。目を引くのがFXの扱う金額の多さとトレーディングスプレッドの低さ。ただ、JPモルガンは為替分野ではトップバンクですから、為替関連で標準的な四半期で350mill(300億弱)の収入。もっとも稼げている分野はクレジットトレーディング、ついでインタレストレート(金利)スワップ、為替スポット、フォワードデスクとなっており、特にインタレスト・レート(金利)スワップはもっとも”ぶち抜ける”デスクとなっております。

よく話題になる株式分野では現物株があわせて325mill(280億程度)、株デリバティブで200mill(160億)。コモディティはメタル(金属)トレーディングで75mill、エナジートレーディング(原油とかガスとか)で250millであわせて325mill程度。

あとストラクチャードが弱いのは、そういう戦略だったんだろーな、と。特に後半には”高回転トレーディング・ビジネスモデル”と書かれてますので、バランスシートを持たず、顧客フローを集中的に扱い、BSを使わないで細かくスプレッドを抜いていく、そんなビジネスモデルが見えます(とはいってもの、投資銀行のモデルは大概こういう事業モデルを志向してますが、、)。

とりあえず、これから投資銀行にもぐりこもう!とお考えの方には、どこのデスクにもぐりこむといいか、という指針になるのでは。

、、、え?もう遅いって??
# by ttori | 2012-03-05 22:29 | Market(マーケット事件簿) | Trackback | Comments(0)

世界は広い

タイの11月の失業率0・8%
【タイ】タイ統計局がまとめた2011年11月の失業率は0・8%で、同10月の0・6%を上回ったものの、2010年11月の1%は下回った。地域別ではバンコク0・4%(10月0・3%)、中部0・8%(同0・8%)、北部0・5%(同0・7%)、東北部1・2%(同0・3%)、南部0・6%(同0・7%)。
 業種別の就労者数は農林水産業1553万人(10月1428万人)、製造業515万人(同562万人)――など。
newsclip.be 2012/1/11 (13:14)| 主要ニュース 経済

( ゜д゜) ポカーン

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゜д゜)

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゜ Д゜) …?!


、、、ちなみに先日発表された12月の失業率は0.4%!だそうです。

ええ、4%でも40%でもありません。0.4%!!!!!

ほら、世界各国の政府・中央銀行の人達!こぞってタイに行くんだ!かれらの政策を学べ!タイは失業なしの完全雇用の世界だ!!!しかもインフレ率も4%程度だぞ!!!

もちろんこれは統計の罠で、タイの失業率はどうも都市部での人員しかカウントされておらず、農村部の余剰人員をカウントしていないとの事。(こちら

とはいえ、都市部だけとはいえ、ほとんど完全雇用はすごい。もちろん農村部から都市部への移動が制限されているから、との説明もあるが、そうはいっても農村部の人はそのままそこにとどまっているとも思えない。この”雇用”というのもいろんな種類があるんだろうが、ただ構造的な失業率(転職のためなどで一時的に職を離れているとか、人員への需要と供給のミスマッチなど)を考えるとそれでもかなり低い失業率とも考えられ。

いろいろ調べてみると、少子化や社会の非効率性(1人でできる所を3人、3人ですることを10人でする)がこの低失業率の原因との指摘もありますが。とはいえ、みんなが働くところがあり、食いっぱぐれない、というのはある種、理想郷なわけで。

私達は競争原理の元で、競争相手に勝つために人員削減も含めて効率化をひたすら追い求め、人の欲望を掻き立て消費を促す世界にすんでるわけですが。

もちろん技術革新はすばらしい。人が生活の中で(金さえだせば)不便さを感じることが少なくなっていく世界の中で、社会の求める姿ってなんだろうか、と思ったりもする。
# by ttori | 2012-02-10 22:25 | News | Trackback | Comments(0)

あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。


さて年もあらたまったですが、昨年末書こうと思っていた積み残しを。
交付国債「見せかけ財源」 一般会計90兆3000億円 きょう決定
政府は24日、一般会計総額で約90兆3000億円となる2012年度予算案を閣議決定する。当初予算としては、6年ぶりに前年度(92兆4116億円)を下回る。総額が圧縮されるのは、基礎年金の国庫負担財源2兆6000億円を、将来の消費増税を当て込んだ交付国債でまかなうため。実情は借金の先延ばしにすぎず、国債発行の政府目標を守るための「見せかけの財源確保」との声も上がる。
 交付国債は政府が発行するいわば「借用書」。年金積立金を運用する独立行政法人に引き受けてもらい、その分、積立金を取り崩して年金給付に充てる。
 積立金の取り崩し分は、政府が消費税増税の税収分から返却する。交付国債の発行時点で政府は現金を支出しなくてよく、12年度の一般会計予算では歳出に組み込まれず、予算総則に書き込むだけで済む。
 基礎年金の国庫負担分が外れる結果、12年度予算の社会保障費は約26兆3000億円と、前年度の28兆7079億円を下回る見通し。借金の元利払いに充てる国債費以外の政策経費も68兆4000億円程度に抑制される。また、交付国債は通常の国債と異なり、新規発行扱いされないため、12年度予算の新規国債発行も約44兆2000億円と、政府の「約44兆円以下」という発行目標を守れる見通しだ。ただ、将来、消費税増税分から積立金を返却するときは一般会計の歳出となる。政府関係者は「実際には交付国債は国の借金を膨らませており、返済を延期しただけにすぎない」と指摘する。政府は交付国債の発行や償還ルールを定めた法案を来年1月開会の通常国会に提出する方針だが、与野党などの反発で消費税増税が実現しなければ、「公的年金そのものの信頼性が揺らぐ」との懸念も強い。
2011.12.24 05:00


これを見たとき、ああ、ついにルビコンを渡ってしまったか、と思いました。
国債って大まかに二つに分かれていて、赤字国債と建設国債に大別されます。
赤字国債とは文字通り、税収が足りないから新規に発行する国債(国の借金)で、国会とかで「今年は何兆以下に押さえて」どうこうと言っているのはこの赤字国債をいいます。この赤字国債、文字通り税収がないのに借金して支出するもので、発行するときは国会の決議が必要です。現在残高が昨年末で430兆円近くあります。

一方でこれとは別に建設国債というものがあります。これは公共投資を行う時に発行されるもので、道路建設や橋をかけるといったインフラ投資を行うとき、国債を発行し、60年にわたって別会計にして均等償却(一年で60分の1づつ償却)していくものです。ただ、気をつけなければならないのは、60年で償却といっても60年満期の国債でまかなっているのではなく、10年満期などの国債をぐるぐる回して資金調達しています。こちらは昨年末で320兆円近く。

まああえて金融的な言い方をすれば建設国債は投資性借り入れ、赤字国債は消費性借り入れとでも言いましょうか。ただ、国債の発行現場では「これ建設国債ね」「これ赤字国債ね」と分かれているわけではなく、マッタク同じ日本国債で、ただ単に管理上の問題となっています。

さて今回出てきたのが交付国債。
これは上記2つとはマッタク趣旨が違います。

私達の国民年金は私達の老後を支える基礎年金として、日本年金機構(旧社会保険庁)と年金積立金管理運用独立行政法人GPIFが管理運営しています。国民から納付された年金資金と国が税収から拠出する分を合わせてGPIFが管理運営しています。
今回出てきたのは、このGPIFに国が拠出している分をこれまで現金で渡していた(とはいっても赤字国債を発行して)分2兆6000億を交付国債で直接GPIFに拠出することになります。

問題は今回の交付国債がこれまでの枠組みとはマッタク違う管理で出てきたこと。赤字国債を発行するには上記のように国会決議が必要となりますので、お金が足りなければそれなりにやりくりが必要ですし、44兆円以下とかキャップがはめられたりしますが、今回の交付国債はこの枠からも、上記の国債発行ルールからも逸脱*しています。
*政府関係者の方が「どのみち国債を発行して拠出するんだから一緒」といってますが、いったん国会審議やマーケットなどのチェックを働かせるのと抜け道的に借金するのは財政規律という意味で全く違うと思われます。、、、あ、財政規律なんてないからこれだけ国の借金が膨らんだんだから一緒だって?

しかもこの交付国債、市場流動性がありません。換金するには国に直接申請しなければなりません。
「今回一回限り」とはいうものの、政治家は安易なツールとして乱発する(特に税収を上げるために増税してこの交付国債を代替するとしているので)のが目に見えてます。そうすると、GPIFの資産(現時点で120兆近く)は遠くない未来にすべてこの交付国債に置き換わり**、最後は国民への給付そのものが交付国債になる、という笑えない事態が想定されます。
**運用の現場からの視点でいうと、現在GPIFは今年4兆円以上のキャッシュアウト(支払い超)となるといわれています。このうち国からキャッシュで入ってくる予定だった2.4兆円分を、そのまま支払いにまわす予定だったものが換金できない交付国債となると、さらに2.4兆円分の資産を別途売らなければならない事になります。これまで株式の相場下支えを行っている(といってもアロケーション上のリバランスの域を出なかったとは思いますが、、、)GPIFが大幅な売りこしとなる可能性があります。

そもそもなんでこうなったのか(積み立て方式:本人が積み立てたものを運用し、後で年金として払いだすのではなく、賦課方式:足元の加入者の拠出金で支払いを回すといった問題点***も含め)を精査せず、安易な目先の解決策できゅうきゅうとしてこうした奇策で取り繕うとするのを見ると、ますます将来が暗いなあと新年から思う私は根暗ですか、そうですか。
***個人的には地方公務員の給与を下げるとか、支出を切り詰めるのもセットでないとダメだと思ってます。大阪の橋下さんに対する公務員の態度や行動を見ているとはっきり言って腹が立ちます。税収はほっといても入ってくると思っている公務員天国の行く先はギリシャなどで証明済みだと思います。地方公務員の給与(そういうと「良い教員が入ってこなくなる」とか「民間の給与が下がる」とか、全く意味がわからない反論が出てきますが)をその地方の平均給与なみに下げるだけで(例えば地方の民間平均給与が300万のところで地方公務員の平均給与が800万とかのズレを民間なみに引き下げる)かなり支出を抑制できると思われ。まあ公務員の仕事を簡素化して無駄な仕事を削る必要もありますが。
# by ttori | 2012-01-01 08:20 | News | Trackback | Comments(3)

年末あいさつ

本年もありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。

木曜日、いつものメンツとのみ。弁護士の方を中心にバンカーやPEファンドの方、M&Aバンカー、某生保の企画野方やHFセールス、新聞記者の方やベンチャーを立ち上げた方。最近いろいろ逆風が強く久々にあった海外駐在の後輩に一言目に「白髪増えましたね」といわれたりして、思わずヨメにすら言わない愚痴をみんなに言ってしまったりしましたが、とりあえずいけるところまでがんばります。それがこれまで私を育ててくれた人達への恩返しだと思って。

私事ではございますが、もうすぐ第二子が生まれます。
男の子だそうで、ヨメは大変そうですが、楽しみです。
また名前を考えてますが、なかなか難しい。
三井住友銀行

♪今がどんなにやるせなくても明日は今日よりすばらしい♪
ぐっと来ます。この年になってただただ、まっすぐに育ててくれた両親の偉大さが身にしみます。
# by ttori | 2011-12-24 22:37 | CM一考 | Trackback | Comments(0)

異端児

ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録
著者: 西川善文

元三井住友銀行頭取、郵政公社社長を務め、「ラストバンカー」と呼ばれた西川善文氏の回顧分。経済のど真ん中でディールメーカーとして生きた西川さんの、その舞台裏があかされています。

まず西川さんの生い立ちから。新聞記者になりたかった西川さんがひょんなことから住友銀行に入り、その後住友銀行調査部を経て、安宅産業の破たん処理に奔走、子会社を整理し安宅を伊藤忠に引き取ってもらう(とはいっても全部ではなく一部のみ)件。いわゆる銀行M&Aが堪能できます。安宅産業、イトマン事件、イトマンの破たん処理、住専、そして金融危機と、常に様々な危機に直面し、その対応に走り回った記述は華やかさこそないものの「ディールメーカー」としての手腕が伺えます。
ただ、安宅産業はまだ、「投資に失敗した商社」を救済し経済的影響を減らす、という前向きな話が出ますが、その後のイトマンや平和相互など、いわゆる「バブルでコンプラ無視の犯罪的経済活動」の後始末は、読んでいてダークになります。

もちろん毀誉褒貶がある人ではありますが、安宅から始まりイトマン、平和相互との合併など、いわゆるバブル時代の「裏の世界」を走りぬけ、さらに郵政の民営化と、大三井住友銀行の頭取、郵政のトップまで勤めた人の言葉は重い。そして資本増強時でのGSの選定の舞台裏。GSの「リレーションシップ・バンキング」ここに極まれり、って感じですけど(金融庁の方、リレーションシップバンキングを強化しろ!ってこういう事(いざというときに排他的なディールを取れる関係構築)っていう事がわかってるんですかね。ディープなリレーションを構築する目的は排他的関係でぶち抜けるディールを獲得すること以外ありえない)。

全体を読んで感じたのは多分「こんな本では書ききれない」ようなディープな話は割愛されてしまったんだろうな、ということ。表面的な記述で終わってしまっているところが各所で見受けられてかなり残念だなあ、という感じがするところは各所に見えます。もちろんかけないことが多いんでしょうけど。

ただ、イトマン事件あたりからの文脈ではさっと書かれていますが、イトマン事件に対するかなりの怒りが行間から湧き出、さらに郵政の件に関しては自ら「政治音痴」とは言いながら怨念が立ち上るような記述になっています。

個人的な感想としては、これが西川氏側からの記述だとはいえ、郵政に関しては政治家の不毛な、そして理不尽な行動には憤りを覚えます。

私自身はバブル期などの本を多数読んでいますから表面的だな、とも思いますが、初めて読む人は戦後金融の裏側が堪能できて面白い一冊ではないでしょうか?

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これはマジでカッコイイ!
ブルーインパルス PV 最強版 Blue impulse 【自衛隊】

音楽(ELLEGARDEN Salamander)とマッチしていて、マジでヤバいっす。
T-4って小型機なので、ハンパなく揺れるんでしょうけど、編隊飛行とか「おいおいこの揺れ方でこの距離ヤバイっしょ」みたな。


、、え?そうです、飛行機オタですけど、なにか?

【追記】星かくときどうやって位置みてんだろ?と思ったら、スモークの位置をまたいだところが見えるんですね、、、感動。。。<オタクです
# by ttori | 2011-11-13 11:34 | 本 / CD / TV | Trackback | Comments(0)

犯罪者

MFグローバルが経営破たん、欧州ソブリン債への積極投資で痛手
米先物ブローカーのMFグローバル・ホールディングスは31日、ニューヨーク市マンハッタンの裁判所に連邦破産法11条の適用を申請した。同社はゴールドマン・サックスの最高経営責任者(CEO)や上院議員、ニュージャージー州知事を歴任したジョン・コーザイン氏(64歳)がCEOを務めており、積極的なリスクテイクを通じて同社を「ミニゴールドマン」に変身させようとした同氏の野望は、欧州債務危機のあおりで打ち砕かれる形となった。コーザイン氏はリスクの高い自己勘定売買を推進。低金利と欧州ソブリン債への積極投資で痛手を受けた。 規制当局は以前からMFグローバルの存続能力に「重大な懸念」を抱いており、イタリアやポルトガル、スペインなどのソブリン債に対するエクスポージャーの公表を求められてから、わずか1週間足らずでのあっという間の破たん劇となった。
 同社に対しては多くの企業が関心を示しており、バークレイズ、シティグループ、ドイツ銀行、ジェフェリーズ・グループ、JPモルガン・チェース、マッコーリー・グループ、ステート・ストリート、ウェルズ・ファーゴなどの名が買い手候補として挙がっていた。しかし、関係筋によると、インタラクティブ・ブローカーズ・グループへの資産売却をめぐる協議が決裂した後、連邦破産法11条の申請に踏み切った。
 同社のブラッドレイ・アベロウ最高執行責任者(COO)は裁判所に提出した文書の中で、「規制当局に定められた期限までの限られた時間で達成できる他の選択肢がなかった」と説明した。 MFグローバルの破たんは、2008年のリーマン・ブラザーズの破たん劇を連想させる。しかし、市場関係者は、市場にもたらす影響はリーマンに比べてはるかに小さく、限定的なものにとどまるとみている。それでも、同社破たんにより、複雑なポジションの整理に伴う混乱は避けられないとの見方から、米国市場における金、原油、穀物などの取引は減少した。CRGパートナーズのリストラアドバイザー、マイケル・エプスタイン氏は「MFグローバルはある意味で、リーマン・ブラザーズの小型版のようなものだ」と語っている。
[ニューヨーク 31日 ロイター] 

最近こんだけマーケットが荒れてる(パパン首相(?)の暴走とか)のになかなかマーケット事件簿に書く事件がおこんないなー、と思ったらよーやく出てきました。<あほ

ゴールドマンサックスの元ボンドトレーダー・共同会長で元米ニュージャージー州知事(この選挙はすさまじい金が投入されたらしいですが)のジョンコーザイン氏*がCEOとして乗り込んでいったMFグローバルが破綻しました。その負債総額410億ドル(3.2兆円)。
このコーザイン氏、LTCMのときに一人で暴走してGSの会長を解任された、という過去がございます。そしてその恨みを晴らすためか、積極的な拡大戦略を引き、MFグローバルをミニゴールドマンにすべく、投資銀行化に積極的に打って出ていたそうです。
*ちなみにこのコーザイン氏をキーパーソン条項にした(この人が辞めたら償還しまっせとか)債券が発行されてた(引き受けはジェフリーズという中堅投資銀行で、この事件で株価が爆落してます)り、結構すごいおっさんだと思われていた模様)

今回の破綻の直接の原因は欧州債券のエクスポージャーの高さ。
元々MFグローバルって、資本金が15億ドル(1200億)程度しかない小型の先物ブローカーでした。ところが元債券トレーダーとしての血が騒いだのかしりませんが、欧州の、しかも今PIIGSとして騒がれている高リスククレジット国のソブリン国債をしこたま(60億ドル、5000億くらい)抱えたとのこと。

もともとこのMFグローバルという会社、日本でいう商品先物の会社のED&Fマンという砂糖をあつかう商社会社が源流です。今ロンドンに上場していて日本の個人投資家にも有名なCTAヘッジファンドAHLのマン・グループが先物ブローカー部門をスピンオフ(分離独立)させたのがMFグローバルです。

この先物ブローカー会社って結構昔からある形態で、破綻したリーマンも元々綿花商社から出発した会社です。直近では上場直後に不正会計が発覚していきなり破綻したレフコという先物ブローカー**とか(MFグローバルがその後買収)何かと話題を振りまいてくれる存在ではありましたが。
**よく読むとレフコが破綻したときもインタラクティブブローカーって買収相手として名乗りあげてたんですね、、。

しかも件のコーザイン氏、顧客資産を流用していたようで、この業界、顧客資産に手をつけるのはご法度ですので、業界のコンプラの基本の「き」を無視した罪は重いと思われます(インタラクティブブローカーなど買収者が軒並みbidを取り下げたのは、これが原因だと思われ)。まー要するにトップの暴走を押さえきれなかたっと。

あと、よく「これはリーマンショックの再来だ!」とかおっしゃる方がいらっしゃるようですが、個人的にはそこまでいかんのかなあ、と***。理由は簡単で、バランスシートが軽いのと、現物と上場先物中心(上場先物はOTCデリバティブと違い、カウンターパーティは証券取引所)のバランスシートなのでOTCデリバティブでのハブの一つになっていたリーマンとはまったく別ではと。
ただ、ユーロ危機の犠牲者の一つとしてはなかなかのでかさ、さらに自己売買のミスで潰れたとなると金融機関の規制強化を主張している人達が「それみたことか」と勢いづくこと間違いなしですし。
***ただ、ギリシャの無秩序な破綻はリーマンショック以上の衝撃になる、に10000ドラクマ。

しかしギリシャの首相がとち狂って国民投票するとか、先が見えなくなっていてとってもダークな気分になるの私だけですか、そうですか。
# by ttori | 2011-11-02 23:27 | Market(マーケット事件簿) | Trackback(1) | Comments(0)

マージンコール

これはカッコイイ!

Margin Call Trailer
# by ttori | 2011-10-22 00:39 | 本 / CD / TV | Trackback | Comments(0)

子供に誇れる仕事

このCMはかなりいいと思う、、。
思わず清水建設、いいなーと思ってしまう。

「つくるに夢中」篇 (ロングバージョン) - 清水建設
# by ttori | 2011-10-02 20:49 | CM一考 | Trackback | Comments(0)
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小さな窓から見上げると曇り空でも、外に出ると意外と晴れてるもんだ。
by ttori
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