名著

f0005681_7462562.jpg大暴落1929 (NIKKEI BP CLASSICS)
ジョン・K・ガルブレイス (著), 村井 章子 (翻訳)

一言で言うと、「すばらしい」です。オビに”バブル崩壊、株価暴落のあとに必ず読まれる、恐慌論の名著”で、まさにその通り、という感じ。

1929年に起こった株価の大暴落と、それに続く大恐慌について何がおこったか丹念に、たんたんと追った本。本人は「予測はしない。事実を記述しただけ」と書いてますが、まさに事実がいろいろな事を暗示させています。

この時代起こったこと。
まず土地投機。フロリダの土地でバブルが起こり、居住に適さない土地、”都市郊外”といいながら都市から相当離れた土地、さらには「新興都市から1キロ」と表示されていた土地はそんな新興都市などなかったなど。こうしたところまでただ”フロリダの土地”として、転売目的でひたすら買いあさられ、最後は小額で土地を買える権利の取引が始まりバブル崩壊。
この後投機マネーは株式へ向かいます。そして出てきたのが「投資信託」。本著ではそのなかでのちのちまでゴールドマンの資産運用業への参入を躊躇させた、ゴールドマン・サックス・トレーディングについて取り上げられています。この時代の投資信託はどちらかというと今のHFに近く、社債や優先株を発行し、レバレッジをかけて株式などで運用していた存在で、その投信自身が上場し、さらに運用資産に別の投信を組み入れて強烈にレバレッジをかけていたものもあったそうで、右肩上がりの相場の中、”世紀の大発明”ともてはやされます。
株価が高騰し始めると信用が拡大、ブローカーズローンが急速に拡大、だれもかれもが株式市場に注目するようになります。
そして暴落。このとき、なにかきっかけがあったわけではなかったそうです。

その後何がおこったか。
日々大量な売買を繰り返し、情報配信が遅れ、ブローカーズローンでレバレッジをかけていた投資家は追証に追いまくられ、ひたすら投売りがでます。
途中、シティやチェース、JPモルガンなど著名な銀行家が買い支えに入りますが、ほとんど効果を見せず、さらにその後空売り規制などが導入され、投機家といわれる人がつるし上げられます。
1929年9月に452ドルであったタイムズ平均指数は11月には224ドルまで下げ、ここで一度底を打ちますが、32年7月に底を打った時には58ドル!になっています。
そして”世紀の発明”ともてはやされた投資信託はそのレバレッジのためにGSTは100ドルを超えていた株価は1ドル程度まで下落。あわせて商品市況も暴落。

本書では”どうしてこうなったのか”についていくつかかかれています(あくまで株は実体経済をあらわしており実体経済が急速に鈍化していた、インフレを警戒する中央銀行がデフレ対策に後手にまわった、大量のレバレッジ資金が国内外から流入し過剰流動性が発生した等)が、個人的はそのなかの一つ、「時代の空気」というのが一番重要なんでは、とも思います。「となりの人が大儲けしたらしい、俺も一口、、、」ってやつですね。

そして最後の一文。「事態が悪化していると知りながら、人はあの言葉を口にするのだ - 状況は基本的に健全である、と」。とても1955年!に書かれた本とは思えません。

歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として。
まさにそんな感じです。

【追記】WINDING ROAD  絢香×コブクロ
「曲がりくねった道の先に 待っているいくつもの小さな光
まだ遠くて見えなくても 一歩ずつ ただそれだけを信じてゆこう」
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by ttori | 2008-11-02 07:39 | 本 / CD / TV
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小さな窓から見上げると曇り空でも、外に出ると意外と晴れてるもんだ。
by ttori

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