マーケット事件簿続きです。
MFグローバル:ブローカーの小麦不正取引で150億円損失 上場先物やオプションの取引で最大手のMFグローバルは28日、同社のブローカーが小麦市場で権限を「大幅に上回る」取引を行ったことを明らかにし、損失を補てんするため1億4150万ドル(約150 億円)を引き当てると発表した。 MFグローバルは28日、同社のブローカー、エバン・ドーリー氏(40)が 27日朝、「権限を超える」小麦先物取引を行ったことを明らかにした。これを受け、同社のニューヨーク市場の株価は28%下げ、昨年7月の上場以来、最大の下落率を示した。バミューダを拠点とするMFグローバルは、同社が取引を決済する義務があると発表。米テネシー州メンフィスで勤務していたドーリー氏は解雇された。ケビン・デービス氏が最高経営責任者(CEO)を務めるMFグローバルは、1人の従業員による不正取引で多額の損失を出した企業としてはことしに入って少なくとも2社目となる。 2月28日(ブルームバーグ) ソジェンに続き、次はMFグローバルだそうです。(最近ではシティのトレーダーが15億ドル!ふっとばした、という記事もありましたが) MFグローバルはヘッジファンド運用で有名なマン・フィナンシャルの先物ブローカー部門が分離して上場した企業で、上場半年での出来事となります。 先物ブローカーの事件としては、上場一年もしないうちに飛ばしと損失隠蔽で破綻したRefco(レフコ)が思い出されます。今回はソジェンなどのケースと同じ、内規を破って(もしくは隠蔽して)ポジションを構築し、ハイボラティリティの相場の中吹き飛ばされたパターンのようですけど。あと、MFグローバルが上場直後だということで、内部管理が十分行き届いていなかったのでは、とも思います。 小麦は半年に一回の作付け状況(アメリカ・カナダでは二毛作)で市況が大きく変わる変動の高いマーケットだと認識していますが、資料をよんでいると、直近オーストラリアの大凶作と新興市場の拡大、コモディティブームで暴騰してボラティリティが上がっていたそうで。 マーケットのボラティリティの高さは注意力の低い人、力の劣る人を吹き飛ばします。 一方で今回の事件も先物での話ですから、大きな利益を得たところもあると思います。 心してかからないとだめだということでしょうか。 しかし、、、昨日のAIGのCDSでのリプライシングによる損が50億ドル、今期損が144億ドルですので、上の損失は150億円くらいだと、小さいなー、とおもってしまう感覚はかなり変です。 最近の金融の損失のニュースは異常です。 【追記】本石町日記さんのエントリーの量産型とプロトタイプのお話についてはいろいろ書きたいことがあるのですが、またにします。 個人的にはプロトタイプ=スーパースター、量産型=チームプレー(金太郎飴)ですが、プロトタイプは性能の上がった量産型に劣る、と思ってます。第二次大戦の精神論と消耗戦の違いでしょうか。 まあ、ガン○ムのストーリーは第二次世界大戦を下敷きにしていたとおもってますので、ガン○ムそれ自体はストーリーのなかの特異な存在という位置づけなんだとおもいますけど、、。 【追記2】ついでにこちらで取り上げられている攻殻の「笑い男事件」みたいな、”模倣は常に劣化する”、という概念についてもいろいろ書きたい事があるんですけど、これもまたこんど。
by ttori
| 2008-03-01 09:44
| Market(マーケット事件簿)
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