インフレはいついかなる場合も貨幣的な現象だ

f0005681_14372331.jpg最強の経済学者ミルトン・フリードマン
ラニー・エーベンシュタイン (著), 大野 一 (翻訳)

天才経済学者にして、マネタリズムを打ちたて、現在の金融政策の一大潮流を作り出した経済学の巨人、ミルトン・フリードマンの生涯をつづった本。

理論的な話はかなり知っていましたが、その周辺の事象や、経済学にとらわれず、政治や教育面に対して積極的に提言していった点、またその哲学的思想について幅広いエピソードをちりばめられており、かなり読みやすく面白い本でした。
長年の学会での立ち居地、さらに彼の周りの巨人達、フランク・ナイト、アーサー・バーンズに始まり、ハイエクなど偉人が議論を戦わせ、新しい潮流を造り、現在の金融の姿を形作ったその思想は一読に値します。

墓石の言葉はこれを彫って欲しいとまで言わせた”インフレはいついかなる場合も貨幣的な現象だ”は有名ですが、フリードマンがこの説を唱えるまではマネタリーベースという考え方がなかったとの事で、大恐慌を引き起こした原因についての考察は鋭く、さらにその研究だけでなく、シカゴ学派としてそのベースとなった思想が世界中に影響を与えていく姿は圧巻です。

もちろん、彼が批判しているケインズの様々な説の中にも例えば、「所得が増えれば消費の割合は低下する」とか、今の日本に当てはまるような気がするものもありますし、個人的に全てが全て正しいとも思えませんが、実証経済学という事を唱え、仮説を立て、それをしっかり検証していく姿は、真の科学者の鏡であるとも思えます。さらに、「教育とは、教師も学生ともども共に学びあうことに他ならない」として、生徒にしたわれた一流の教育者としての姿も描かれています。

そしてもっとも印象に残ったのは、「仲が悪くても、宗教や人種がまったく違っても経済面で協力できるというのが、市場経済の大きな強みだ。これは政府には真似できない」という言葉。
今、インターネットが発達し、国際的な商取引が巨大化している中で、国家というものがおかれている立ち居地、その上で多文化の世界市場のなかで、日本が市場経済をいかに取り込むかということを考えなくてはならない、と思い知らされます。

しかし、こうした思想を考えるに付け、日本という国が世界的にいろいろな意味で特殊な国だとおもわざる得ない、という感想が一番大きいところが悲しい一冊でした。
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番外編
ぱらぱらRISKマガジンを見ていたら、今年の「エクイティデリバティブ ハウス オブ ザイヤー」はソシエテジェネラルだそうで。
、、なんと間の悪い。。
まあ、デルタワンの商品なんてデリバティブとはいえない、ともいえますけど、、。

しかしソジェンのトレーダー、いろいろ読むと年明けまでは利益が出てた、とのことで、どこかの時点でユーロ先物のショートをロングにひっくり返したんだと思います。で、やられたのでその相場見通しを変えずにひたすらナンピンして損を膨らましたんだとおもいますけど、その相場見通しを知りたい、と思うのは私だけですか、そうですか。
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by ttori | 2008-02-11 14:33 | 本 / CD / TV
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小さな窓から見上げると曇り空でも、外に出ると意外と晴れてるもんだ。
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