大手米銀、財務省主導のスーパーSIV計画取りやめ-WSJ紙
米経済紙のウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は21日、複数の関係者による情報として、米財務省の主導でバンク・オブ・アメリカ(BOA)とシティグループ、JPモルガンが資金調達を進めていたストラクチャード・インベストメント・ビークル(SIV)救済計画が取りやめになったと報じた。 SIVはコマーシャルペーパー(CP)の発行収入をサブプライム(信用力の低い借り手向け)住宅ローンが担保に組み入れられた証券などに投資。信用収縮の影響でCPの買い手がつかず、資金繰りに苦しんでいた。 WSJによると、上記3行に加え、SIVの資産を買い取るスーパーSIVの運用企業に指定されていたブラックロックは24日、救済計画取りやめの声明を発表する可能性が高い。ただ、金融市場の環境が将来悪化した場合、同計画をあらためて始動させる可能性はあるという。 【12月21日(ブルームバーグ)】 結局取りやめだそうデス。財務省のポールソン長官のメンツも丸つぶれですな。 M-LEC構想を言い出したシティがアドバイザーを務めているSIVの資産を、自分のバランスシートに載せると発表してましたから、予想できた動きですが。まあ、シティのバランスシートのでかさからすると、数兆円は誤差みたいなもんでしょうけど、、。 日本のメガバンクに融資要請が来たのも遅かったですけど、結局世界の主要金融機関みんなに断られて、仕方なく日本のメガバンクに要請しにきた、ってことでしょうね。そう考えると金額の大きさにも納得がいきます。最後の砦、日本の金融機関にも断られて断念した、ってことでしょう。メガバンクが「条件闘争」する前に他の金融機関といろいろ条件闘争してたんでしょうな。メガバンクに声がかかったとおもったら、「あ、だめ?じゃあM-LEC自体やめちゃいます」ってどういうことよ。日本の金融機関もなめられたものですな。 まあここのところ大損を出した金融機関を中心にエクイティ出資が相次いでますので、バランスシートの毀損が順次進むと思われます。 金融機関の状況を確認しますと 出資確定組:シティ(アブダビ:ADIA)、モルガンスタンレー(中国投資公司:CIC)、UBS(シンガポールGIC)、ベアスターンズ(中国CITIC:中信証券) 出資の噂組:メリルリンチ(シンガポール・テマセク)、+ベアスターンズ(米フォートレス) 特に必要ない組:ゴールドマン、JPモルガン、ドイチェ、クレディスイス まだ何も話がない組:HSBC、バークレイズ 独自の動き+それどころじゃない組:フランス各行(BNPパリバ、ソジェン、クレディアグリコル等)、RBS こう見るとSWF大活躍ですね、、。 しかし、さすがに主要金融機関は動きが速い。たった半年でトップの更迭、評価損を一括計上、トップ外交で資本注入、サブプラ危機をきっかけとしたクレジットバブル破綻の影響をいっきに処理。今後注目はアメリカの景気動向にうつると思われます。 不動産バブルを処理するのに10年以上かかり、いまだサブプラがどうこうとか言ってる日本の金融機関の動きの遅さが際立ちますな、、。
by ttori
| 2007-12-22 10:14
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