ロックフェラー家

f0005681_17373460.jpgロックフェラー回顧録
デイヴィッド・ロックフェラー (著), 楡井 浩一 (翻訳)

オビは「”米国最強”の一族、莫大な資産、政界との関係、寄付基金・・・その全てが初めてここに明かされる、富と力の全記録」。

ロックフェラー家の3代目で五男のデヴィッド・ロックフェラー・元チェースマンハッタン銀行CEOの自叙伝。スタンダードオイルの創設者で大富豪のジョン・D・ロックフェラー・シニア氏(こちらはタイタン ~ロックフェラー帝国を創った男~ ロン・チャーナウ著が詳しい)、NYのロックフェラーセンターを造った2代目ジョン・D・ロックフェラー・ジュニア氏、そしてその子供の世代である、長男ジョン、アメリカ副大統領まで勤めたネルソン、ローランス、ウインスロップの兄弟のそれぞれのことが内部者からの視点として赤裸々に描かれています。

もちろん、これはあくまでデイヴィッド・ロックフェラー氏の視点から書かれているので、多少は割り引いて読む必要はあると思いますが、それでも、ロックフェラー兄弟間のせめぎあい、仲たがいまで詳細に書かれており、大富豪の兄弟が何を考え、何を望んで生涯を送ったのか(ネルソン・ロックフェラー氏の権力へのあくなき闘争心など)なかなか興味深い資料と思います。
そして何より、チェース銀行トップとして世界中を飛び周り、ビジネスを進めていったデイヴッド氏、スケールの大きな銀行トップ外交とはこういうものだという姿が書かれています。
他には民間外交の裏側や、アメリカ国務大臣のキッシンジャー氏との共同で中東外交に奔走したり、イランのシャー(国王)の受け入れに奔走したりする姿が描かれ、そうした話も興味深い。また、チェースが不動産不況で大打撃をこうむり大きな痛手を受け、トップとしてその対策に奔走する姿や、ロックフェラー財団やロックフェラーセンターの経営について、さらにファミリービジネス(RBF等)の内容についての詳しく書かれており、陰謀説でよく出てくるビルダーパークについてさらっと書かれてたりして、よく読むとなかなかおもしろい本です。

もちろん、彼の生まれ育ちのよさに裏打ちされたことや、「これを成し遂げた、私はすごかった」的な話が多いですが、それでもアメリカのトップエリートが何を考えて行動していたか、例え彼らとてベトナム戦争やその世代世代の様々な思想に左右されている姿を見るにつけ、人はどこまで行っても同じだと思わせます。特にオビの裏に書かれた文が印象的で、そこには”石油で巨万の富を築いた祖父、ロックフェラーセンターを建てた父、副大統領で夢絶たれた兄、資本主義に反発する子供たち”で、内容を端的に表している、と。

一般にロックフェラー家とかいうと、すぐに陰謀説がでたり、よく調べもせずにすぐに「裏で○○が動いていて~、、」とかと言う人がいますが、きちんと調べる事によって多くの部分がクリアになると考えています。わざわざオビを上に全部書いたのは、どうも日本人、ロックフェラー=うさんくさいという印象から逃れられないのかな、と。(笑)
なにより個人的には、ロックフェラー家とて、いちアメリカ市民以上でない、というのが個人的な感想です。

すごく長い本ですが(笑)、陰謀説を言う前に読んで欲しい本です(笑)。
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by ttori | 2007-11-25 17:29 | 本 / CD / TV
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小さな窓から見上げると曇り空でも、外に出ると意外と晴れてるもんだ。
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