サブプライムあれこれ

最近世間を騒がせている、アメリカのサブプライム・ローン問題。
信用グレードの低い(サブプライム:昔返済不能になったことがあるとか、収入が少ないとか)人を対照に、住宅購入資金貸し出しをおこなうローンで、延滞率が上がって(お金を返せない人が増えて)、ローンを出している金融機関が大打撃をこうむっている、とのこと。



まあ、もともと信用度が低く、住宅を担保にとってローンの借り手の将来の収入をあてにせず、「住宅価格上昇」にベットしていたようなもんですから、住宅価格が下がれば当然損がでて、レバレッジを大きくかけていたところが大きな影響を受けるのは当然ですが。
しかも大きなトラブルに見舞われている業界2位のニューセンチュリーは、ここ数年で営業を急拡大させていて、アニュアルレポートをみると、その拡大の大部分がインタレストオンリー(利子を返すだけで、元本を最後に一括返済。通常の債券に近い)や40年満期ローンが中心でかなりリスクが高いバランスシートになっています。(サブプライムローン業界は2位のニューセンチュリー以外は、首位が住宅ローン大手のカントリーワイドやS&L大手のワシントンミューチュアルのほか、大手投資銀行や事業会社の子会社が多い)

もちろん考え方として、住宅ローンを消費性ローン(将来の収入を当てにして、消費を先に行うこと。将来のキャッシュを今実現すること)として捉えるのではなく、事業性ローン(それで利益を上げる投資を行い、更なるキャッシュフローを産み出す)と捉えるなら、別にインタレストオンリーローンでも違和感はないのですが。
しかし同僚のアメリカ人に言わすと、「インタレストオンリー・ローンは昔からある、ごく普通のローンだけど、最近は利子がステップアップ型(初めの数年は利子がほぼゼロ。だんだん利子があがっていく)だったりしてめちゃくちゃ(クレイジー)だ」と言っていたので、流動性がジャブジャブのなか、相当リスクの高い融資を行っていたようです。

最近C.P.キンドルバーガー教授(バブル研究の泰斗)の本をよんでいて、「バブルは人々の熱狂と、それを支える過剰流動性があって初めて起こる」という言葉がでていましたが、現在のハイリスクの資産に対する投資を支えている流動性がなになのか、そこを見極める必要があり、意外なところで影響が出てくる可能性があります。

で、サブプライム関連で一番気になったのが以下のニュース。
一見関係なさそうですが、、、、。

GM、10-12月期黒字転換ながら北米部門改善になお試練
 ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米ゼネラル・モーターズ(NYSE:GM)が14日発表した2006年10-12月期決算は黒字転換したものの、中核である北米自動車部門の業績回復に手間取っている。また、GMACファイナンシャル・サービシズが住宅向けサブプライムローン(信用度の低い借り手への融資)市場の混乱の影響を受け、保有しているGMAC少数株がGMの財務にとって緩衝材としての効果が期待できなくなる恐れがある。
 同四半期の純損益は9億5000万ドル(1株当たり1.68ドル)の黒字、前年同期は66億ドル(同11.63ドル)の赤字だった。売上高は512億ドル、前年同期は517億ドルだった。
<中略>
 これとは別にGMは、GMACでのサブプライムローンで多額の損失が出る恐れがある。GMは昨年後半、GMAC株51%を売却した。ヘンダーソン氏は「GMACの住宅ローン事業の問題は1四半期にとどまらないが、住宅ローン市場の縮小による影響は未知数」との見方を示した。
<中略>
 GMACでは同四半期、2億8400万ドルの減益となった。GMACの住宅ローン部門であるレジデンシャル・キャピタル(RESCAP)のサブプライム住宅ローン事業の業績悪化で、GMACの融資事業は大きな打撃を受けた。RESCAPは長年、GMACに大きな利益をもたらしていた。だがRESCAPの業績悪化により、GMはGMAC株51%を取得したサーベラス・キャピタルに10億ドルを支払うことで合意した。GMはこれを07年1-3月期に計上する。ヘンダーソン氏は、GMACには今年いっぱい業績を押し下げる圧力がかかるとの見方を示したが、来年以降については言及を避けた。
(日経新聞)

さすがサーベラス、、。
こういうところは抜け目ないですね。。。

サブプライムローンは市場としては小さく、総体として大きな影響は出ない、といわれていますが、それよりも、多くのローンがCLO(ローンをまとめて債券として売る)となっていて、あちこちに影響を伝播する可能性があります。かつてエンロンの倒産で日興のMMFが元本割れしたように。たとえば上記で言えば、サーベラスがGMACに投資したときに一緒に投資したシンジケートに日本のあおぞら銀も入っています。
さらに、通常の住宅ローン(プライム)の延滞率があがり、住宅マーケットそのものがさらに減速するようだと、かなりつらいと思われます。もちろん、エコノミストに言わすと、「住宅価格が下落しても、アメリカの失業率が上がって来ないと大きな影響は出ない(収入があればたとえ住宅価格が下がっても返済原資は確保される)」とのことですが、住宅購入に関連して過剰借り入れが起こっていれば、例え失業率が上がらなくても大変だとおもうんですけど(昔の日本のバブルみたく)、そう思うのはわたしだけですかそうですか。
そもそもアメリカだと個人破産しても、仕事がなくなることはないと思うんですけど(日本と違って、、さむい、、、)、この認識は違いますかそうですか。

アメリカの大手投資銀行が「大丈夫だ」といっても、警戒感は持っておいたほうがよさそうです。
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by ttori | 2007-03-18 10:32 | Market(マーケット事件簿)
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小さな窓から見上げると曇り空でも、外に出ると意外と晴れてるもんだ。
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