あ、下はなんにも答えはございません。あらかじめ。
下のエントリーを書いてて思い出したこと。 私が今の業界に入ったぴちぴち(<あほ)の新人だった頃に、証券アナリスト試験の財務分析の勉強をしていました。で、 「いくつか企業を選んで分析してみよう」 ということで選んだ企業の中にソニーが入っておりました。 ところがバリエーション分析から、キャッシュフロー分析やら、デュポン分析等々いろいろやってみましたが、どうひねくり回してもソニーの株価が説明できませんでした。 「なんでこんなに高い株価なんだ??」 それに対して専門の某アナリストがポツリと 「ソニーの株は摩訶不思議だ」とつぶやいた事を明確に覚えています。 (現在は摩訶不思議株の地位を柔らかバンク(ソフトバンク)に譲ってしまっていますが。。。) 株価は人気投票で、すべての情報を織り込んでいる、株価が正しい、と教えられた新人にとってわけがわからない状態でした。そこでいろいろ理由を考えてみました。 そのときに考えた理由のひとつが、「ソニーは普通の企業とは違うのか?」という事でした。 実際、日本企業の多くは、海外で発明されたものを効率的に生産することで利益を上げていました。ところがソニーは日本企業ではめずらしく、社会での人間生活そのものを変えてしまうような発明をいくつかしています。たとえばウォークマン。たとえばトランジスタ。たとえばCCD(ビデオカメラの素子)。 それは、車を作り、社会を変えたダイムラーやフォード、パソコンでのアップルとマイクロソフト、ネットでのYahoo!とGoogleと同じです。 そして、そうした企業はエクセレントカンパニーとして、2番手以下よりも上に見られる事が多い。 トヨタはすばらしい企業ですが、トヨタが車を発明したわけではありません。トヨタが生み出したのは、車というものを、極限まで効率的に生産する方法であり、富は生み出しましたが、社会のありようそのものを変えるほどの大発明をしたわけではありません(だからといってトヨタがすばらしくない、というわけではないです。為念)。一方で車社会という、それまでの社会そのものを作り変えてしまったフォードやGMは過去からのレガシーコストが経営を圧迫し、現在苦境に陥っていますし、現在M&Aが吹き荒れている鉄鋼業界でもアメリカの高炉企業は全滅しています。同じく苦境に陥っている業界としては他に航空産業などがあります。 商品がコモディティ化していく中で、新しいものを生み出すよりも、より生産を効率化できる企業が勝ち残っていくステージに入ります。現在ソニーが苦しんでいるのもそこだと思います。新しい物を生み出すには遊び心とある程度の無駄を許容できることが重要な気がしますが、生産効率を向上させるためには効率的で無駄を排除する思考が必要で、ある種正反対な物だと思います。(余談ですが、日本企業ではゲーム機の任天堂、カップラーメンの日清食品とかがこうした例に思い当たります。だからといって任天堂や日清がダメだということではございません。為念。) 、、、で。 ネットでも同じことがおきるのか。 もう少し考えます。。。
by ttori
| 2006-10-27 20:37
| Market(マーケット事件簿)
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