アマランス、その後(下記エントリーの続き):ガスで大火傷2 マーケット事件簿1 Part2

今週一週間話題を振りまいたアマランス。
Bloombergでは、今週一番読まれた記事になったとのことで、Bloombergのコラムニストが「他人の不幸は蜜の味」と皮肉った記事(注:すいません、リンク切れてました)を書いてましたが。

日本国内でも余波が出ているみたいで、直接的な話題としては一部マーケットで売りが出た、とか、昨日TOPIXをアマランスのプライムブローカー(PB)のJPモルガンが大きく売りこしていた(約4000枚、買い方見えずでエクスポージャーとしては600億ほど。JPがTOPIXで大きく動くのは珍しい)ので、「これは処分売りか?」と憶測もよんだみたいですし。




HFに分散投資する、ファンド・オブ・ヘッジファンズ(FoHF)でもゴールドマンサックス・オポチュニティファンドやマンのファンド、モルガン・スタンレーのFoHF、アメリカの年金基金などで損失を表明しているところが出始めています。
(このあたりはFoHFに勤務されているCutting Edgeさんや、日本橋ふぁんど日誌さんにくわしい。)

日本の年金などでもFoHF経由で地雷を踏んだところがありそうです。

ただ、知り合いのFoHFのセールスに言わせると
「ここ数ヶ月、リターンが悪化していたFoHFファンドが多いから、「今月も結構やられたなー」でおわりだよ」とのコメント。
、、、、そんなもんっすか。。。
(ポートで考えると、せいぜい月間マイナス5%とかですので、、、)

しかし、アマランスのエナジー関連の最終的なロスとして、7000億円!といわれていますが、市場ですから、ゼロサムゲームです。どこかで大きく利益を出しているファンドもあると思います。
第一候補はマザーロックの破綻のときにそのショートポジションを引き取ったところですか。
(追加:その後、「儲けたのはエナジー関連のPBで強いモルスタ、GS」という報道がありました。)

今回はアマランスの迅速なロスカットや、キャッシュ・リクイディティの確保(ロンドンでシンジケート・ローン・ポートの現金化など)で、マージンコールに対応したとのことで、その撤退ぶりは見事なものです。こうした一連の作業をみていると、優秀なトレーダーなんだろうな、と思います。

最終的には清算されることになるのでしょうが、優秀なトレーダーは引く手あまたなのではないのでしょうか。



最後に一言。
ほんとはあまり仕事のことを書きたくはないですが、思うこと。
今回の件もLTCMの件にしてもそうですが、結局”稼いだトレーダー”を十分管理できなかった、というのが大きな原因だと考えています。
トレーダーという職業は、大きく稼いだ人が偉い、という基準で判断されるため、大きく稼いだトレーダーを管理し、批判するのはかなり厳しい。このへん、単純な組織論ではなく、ガバナンスの問題であり、人間の問題だとおもいますので、かなり難しい問題だと思います。また、私の知る限り、上場している大手投資銀行と違い、多くのHFは個人商店のような、小さな組織のものが多く、経営に対するプレッシャーも違い、そのあたりのガバナンスの問題も、結局は属人ベースになってしまいます。
このガバナンスの問題をどうするのか。
だれが経営、ポジション・リスクコントロールをするのか。
外部からの中立的な(ポジションに恋をしていない、とでもいいましょうか)チェックをどうやってするのか。



(主な問題はレバレッジのかけ方だと思いますが、どのようにそのエクスポージャを管理するのかはかなり難しい問題だと思います。各リスク・エクスポージャのボラと相関をベースに管理しているのでしょうが、その数値も主観が入り込めますし。もちろん、ストレステストや資本割り当てはかなり厳密にはやっていたでしょうが、その数値を”判断”するのはボスですし(笑)。
また、LTCMの破綻で、信用を供与するIBがPBを中心にリスクコントロール体制を構築しているとおもいますが。。
(ある記事によると、「LTCM破綻後の、HFに対する信用供与・リスクコントロールの技術進化をみてくれ!」とのことですけど。。。))
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by ttori | 2006-09-23 11:11 | Market(マーケット事件簿)
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小さな窓から見上げると曇り空でも、外に出ると意外と晴れてるもんだ。
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