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フラッシュクラッシュ(10月10日追記しました)

5月の米株急落、ワデル・アンド・リードの先物取引が引き金-関係者
米証券監督当局は、5月6日に米株式相場が急落した原因について、米投資会社ワデル・アンド・リード・ファイナンシャルが行ったS&P500種株価指数先物の取引が引き金だったとの結論を出した。事情を直接知る関係者2人が明らかにした。この日の株価急落で時価総額8620億ドル(約72兆円)相当が20分弱で吹き飛んだ。関係者らが匿名で語ったところでは、米証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)は報告書で、ワデル・アンド・リードの「Eミニ」先物の売却が通常のヘッジ戦略の一環だったと指摘。同社はいかなる不正行為も試みておらず、欧州債務危機のような懸念がなければ同社の行動が株安に拍車を掛けなかったかもしれないと説明しているという。報告書は30日にも公表される可能性がある。
  SECは5月6日に起きた株価急落の原因を説明し、再発防止策を示すよう議会から圧力を受けている。6月にはすべての証券取引所が一定以上の激しい値動きが見られた際に取引を停止するサーキットブレーカーを導入した。関係者らによれば、報告書ではワデル・アンド・リードの社名は特定されておらず、勧告も盛り込まれていない。SECのジョン・ネスター報道官はコメントを控えている。
  ワデル・アンド・リードの広報担当ディレクター、ロジャー・ホードリー氏は「当社を特定していない報告書に関してコメントすることが適切かどうか分からないが、その日取引を行っていた多くの取引業者の1つであることは明らかだ」と述べ、「当社は単にポートフォリオの下落リスクに対処しようとしただけだ」と説明した。
9月30日(ブルームバーグ)

先日の「フラッシュクラッシュ」と呼ばれる、急激な株価下落について調べていた米証券監視当局からの結果がでてきそうです。
前後関係だけをみると、87年のブラックマンデーでのポートフォリオ・インシュアランスとほぼ同じ原因に見えます。つまりワデル&リードという大手運用会社が相場の下落をみて先物に大口の売りを出した>他社があわてて追随した>先物が現物と乖離したので現物の売りが出た>あまりにも急激だったのでリクイディティ(市場流動性、つまり取引の相手)がついていかず突き抜けてしまった、というのが現実なんだと思います。しかし何も考えずに「ワデルほどの老舗がアルゴなんてものを使っているなんて」とかいう意味不明なコメントを見かけました。(そういえば、しばらく前に超著名コンサルティングの方が、「高頻度取引(HFT)でGSとかがぼろ儲けしたから決算がいいんだ」とか、あなたちゃんと決算数字みてます?っていうコメント(GSの利益のほとんどはFICC(債券・為替・商品)部門が稼ぎ出している)を臆面もなく発しているのをみて唖然としましたが。(このかた、影響力があることをいいことに調べてもないことをさも当然のようにしゃべられるようにお見受けするんですけど、、。))

もともとアメリカではニューヨーク証券取引所(NYSE)のシステム速度があまりにも遅く、PTSといわれる取引所外取引所が発達した結果、リクイディティが分散されてしまい、「どこにベストASK/BIDがあるか」を探し出すのだけでも大変で、そのためにアルゴリズムといわれるプログラム売買が誕生した、という歴史的背景があります。

そもそも「アルゴ」とヒトククリにされてますが、通常の個人投資家も使っているいわゆる出来高加重平均取引(VWAP)と呼ばれる取引や逆指値、ストップロスオーダーなんかもアルゴリズムを使った売買といえます。もはやアルゴは株式市場(最近は為替市場とかにも)なくてはならない”ツール”になっています。

もちろん、前のブラックマンデーを受けての対策が不十分だった、という面(たとえば、急激な株価変化に”人”が対応できないので、一次取引を中断するサーキットブレーカー制度とか)もあります。しかしネットもそうですが、情報流通の速度が加速度的に上がっていく中で、企業価値という「情報」を取引する市場というところで、情報の流通を円滑にする事を増やすことはあっても減らすことはどうかと思います。

まあ、「情報の速度」に「人の判断速度」が追いついていない、というのが今回の問題の原点だと個人的に思います(株式売買がいかに効率的になっても、最後は人が「判断」せざる得ない)が、結果規制はどこに向かうのでしょうか。(例えれば自動車の性能が上がっても、制限速度が300キロになったりしないのと同じ、という風になるのか、それとも飛行機や新幹線のように「人が判断するのは限定状態のときのみ」という人間工学に基づいた市場設計になるのか、は思想が分かれるところだと思います:ただ、自動車と旅客機では「移動自由度」が全然違いますけど、、。)
これで意味不明で事務作業だけ増える規制が入らないことを祈る、、。

【追記】クオンツなんぞという仕事をしていると、理系出身者でもいくつか特徴があることがわかります。一つは”定量”能力が優れている人。マクロを組んだり、データ処理能力にすぐれ、「もっとも大量のデータを効率的に処理するか」ということに優れている人。一方で「定性的」な能力を持つ人。いわゆる「総合的に見て」というのを多投するひとですね。クオンツに多いには前者が多い。ところが財務諸表やら様々な数字はエクセルで取り込めるデータ以外に「但し書き」がたくさんついてます。この部分を無視したのが前のサブプラショックですし、クオンツショックだと思います。
まあどっちがいいわるいというはなしではないんですけどね。

あと、NYと違って日本では値幅制限があるので上のフラッシュクラッシュのようなめちゃくちゃなことは起きないと考えられます。NYSEやNASDAQ、「自己責任」とか言いながら、後だしで「この約定異常値だから」といって約定を平気で取り消したりします。それならはじめっから50%以下になったら止まるような措置つけとけよコラ!って感じ。下値で買って、上値で売った人は下値の買いだけ取り消されて、上で売ったつもりがさらに値段が戻っていて大損、ってなことになりかねないです。
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by ttori | 2010-10-10 11:01 | Market(マーケット事件簿)
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小さな窓から見上げると曇り空でも、外に出ると意外と晴れてるもんだ。
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