天下り

今週はまあ何も起こらないですなあ。<あほ

私のblogの本紹介は、金融の本か浅田次郎さんの本に偏ってますが今回はどっちにも微妙にかぶってますので。。(小説の紹介って実は初めてか??)
f0005681_23184594.jpgハッピー・リタイアメント
浅田 次郎

ネタばれするのであまり書きませんが、初めに浅田さん自身の体験を書かれています。もともと若いころに不渡りを出し、借金を踏み倒した経験のある筆者、現在は押しも押されぬ大ベストセラー作家。ところがその若い頃の負債(すでに時効が成立していますが)について、その当時債務保証した政府機関の老人の担当者がたずねてきて「可能であれば返済してくれ」といわれた経験(しかもこの担当は浅田氏の大ファンという怪しい事情もあり)からこの小説を思いついたそうで。
つまり「義務」はないが、「使命感」からかつての負債を返済する、という人間心理と、その返済した先がどうなっているかについて描いた小説。浅田氏自身、この「使命感」でかつての負債を耳そろえて返した、という事実から「返した分くらいはこの小説で取り戻したい」という笑える裏話から話しは始まります。

財務省ノンキャリの樋口と自衛隊を退官した大友は共に全国中小企業振興会JAMSに出向を命じられる。両名とも国の組織でそれなりに出世した55歳、今回の異動はいわゆる「天下り」。そこで会うのはかつての上司、そのJAMSの影の支配者で財務省から天下った矢島理事とその愛人で二人の教育係を命じられた女性・立花、そしてJAMSを設立したGHQのマッカーサー元帥に「終身雇用」されたという老職員ヒナさん。天下り先での業務は「特になし」。9時5時で何もしなくても給料は今まで通りもらえる。
まわりは縦社会で天下りで何もせずに甘い汁を吸う(=ハッピーリタイアした)「大人の」人ばかり。「大人」だけど、どこか普通な意識を持ち合わせ、他の職員とは一線を画した二人は、立花とともに本来の業務である「時効がきて請求権がない放置されている債権回収」を行い始めて、、。

ネタばれになりますので、これ以上書きませんが、まあさらっと2時間もあれば読めます。
政府組織、天下りってこんなもん、という皮肉を描いた小説ですな。どっかにそのモデルがあると思いますし、浅田氏のいろんな側面を数人の登場人物に投影して登場させていますから、小説というよりエッセーに近いかなあ、と。あと天下りの実態ってこんなもんなのかなあ、とも思います。ヨメが某銀行の役員秘書室をしていたのでいろいろ聞いた事ありますが、いわゆる「顧問」というおじいちゃん達の生態をかなり正確に書いてあると思います。

小説の題ハッピーリタイア。何をもってハッピーリタイアとするのか、いろんな価値観を投影した小説だと思います。
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by ttori | 2010-09-03 23:11 | 本 / CD / TV
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小さな窓から見上げると曇り空でも、外に出ると意外と晴れてるもんだ。
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