ニホンノミライ

最近政府債務についての話がかしましい。
ギリシャから始まったソブリン危機が発端だが、「日本もGDP2倍近い政府債務を抱えマジやばい」という意見と「そうは言っても国内でほとんど消化しているから大丈夫」というま反対とも思える意見が散見されますが。

ではまず事実から確認しましょう。
まず国の債務。いわゆる国・地方の長期債務は財務省によると平成20年度末で約780兆円。100兆円程度の短期債務などを含めると、全債務は1000兆円といわれます。

次にその債務を支えているといわれる、個人金融資産。日銀の資金循環表よると、2009年9月末で個人金融資産は約1400兆円。内訳で大きいのは800兆円*の現金・預貯金と、400兆円の年金・保険となります。
そして、その個人金融資産の多くが60歳以上が保有してます。*そう考えると、日本人、なんで預貯金がおおいんだろうか、という疑問も。まあ金融資産を保有しているのがほとんど高齢者、というのもあるでしょうけど。

さて、この60歳以上が保有している金融資産は今後どうなるでしょう?
この60歳以上の方、今後30年くらいで順次お亡くなりになっていきます。そのとき、当然冥土にこの資産を持っていくことはできませんので*この方々が持っている金融資産は順次次の世代に相続されていきます。これで一部相続税で国庫を潤しますが、金融資産は基本保持されることになります。
*そういや昔自分が買った有名絵画を「俺が死んだら一緒に燃やしてくれ」といって顰蹙買った方がいましたね、、、。
つまるところ、個人金融資産が預貯金・保険年金に滞留し、その資金がおもに国内に滞留し長期債務が個人金融資産の内側にある限り、なかなか海外の一部の方が期待される、「国債急落」という事態にはならないような気がします。あ、もちろん多くのお金持ちシニアな方が「これからは中国だ!」といって、はらたいらさんに全部!という勢いで預金を全部解約して中国元とか南アフリカランドに突っ込む、というのであれば事態は変わってくるかもしれませんが、、、。

さて、もしこのGDPに比して巨大な政府債務、返済しようと思ったらどうしたらいいでしょうか?
今話題になっている消費税は将来のフローも含めた今後の「フロー所得」への課税と考えられます。
一方で現在積みあがっているストック=個人金融資産へ課税する方法も考えられます。
たとえば猛烈な勢いで相続税をかけるとか。
**しかし最近思うのは、人口が減るよりも労働人口が減っていくペースが速い今後の日本の現状を考えると、消費量はあまり減らない(人口が減らない)のに労働人口が減る(供給が減る)ので生産性向上>いずれコストプッシュインフレになる、、、というのはアホな考えですか、そうですか<まあ閉じた系ではないですから(貿易がありますから)そう簡単ではないですが。

もしそうした場合、かなりの政府債務が返済され、国家債務がなくなるまで課税したとしたとき、どうなるでしょうか。
上記に書きましたが、現在の個人金融資産の多くが年配の方に保有されている=若者はびんぼー、ということです(当たり前ですが)。相続税で国家債務を返済していった場合、イメージ「日本」というビークルのバランスシートを圧縮する、とも取れます。つまり国家債務が無くなる代わりに、戦後積み上げてきた個人金融資産も吐き出し、「日本」がびんぼーになるイメージ*です(つまり本来上の世代から下の世代に相続がなくなるから)。*まあ、今も十分びんぼー、ともとれますけど。

今朝の日経には日本国債の保有の95%が国内金融機関保有という記事が出てましたが、この原資となっている多くの個人金融資産がホームバイアスで国内に滞留する限り、そしてその金額が長期債務を超えない限り、低金利は続く、ということです。

しかし、、もし私が国債安定発行をまかされた財務省の官僚であれば「海外資産投資禁止法」とか作って、資金国内に滞留するように仕向けますな、、、。
あ、現状もそうなってるって?<あほ

*逆にいうと、預貯金から資金が流失するとき>景気の回復初期が一番ヤバイ、とも取れます。国内個人金融資産って以外と足が速いイメージですので。

【追記】ちなみに上で簡単に預貯金>国債と書いてますが、現状の国債保有者は預貯金だとざっくり郵貯23%、銀行等17%の40%、また保険年金は生損保10%、簡保10%、年金15%で35%くらい、他日銀10%といったところ。
銀行の預貸比率が上がらない現状、つまり、預金=銀行にとっては負債が円貨で常に調達できてしまい、それを円貨で貸し出す先が無い場合(特に郵貯に関しては融資部隊が弱いため、円債にいってしまう)、どうしてもALM(アセットライアビリティーマネジメント:負債と資産のリスクをマネジメントすること。円で調達したお金は円で運用したほうがリスクが少ない、といったもの)の観点から円貨運用がメインになってしまいます。
上記にも書きましたが、今後労働人口の低下に伴い円貨での資金ニーズが低下する一方で、預貯金総額が変わらなければどうしてもまとまった円の振り向け先=日本国債ということになりかねません。さらに大企業の多くが手元流動性を積み上げてしまっている現状、余計に貸出先がない=じゃぶじゃぶの資金の行き先は国債のみ、、、ということになります。

【追記】ついでに書くと、現状銀行の預貸比率は7割くらい(だったはず)。だからといってどんどん唯一大きく金を振り向けられる国債ばっかり買っていると、アウトライヤー規制(単一金利リスクにリミットを掛ける規制)に引っかかるんでどっかで止まらざるえないんですけどね、、。そのうちアウトライヤー規制撤廃とかでてくるかも、ですね、、、。
[PR]
by ttori | 2010-07-01 20:46 | News
<< 御発注事件、その後 ワールドカップ! >>



小さな窓から見上げると曇り空でも、外に出ると意外と晴れてるもんだ。
by ttori

カテゴリ

全体
プロフィール
本 / CD / TV
プライベート
Market(マーケット事件簿)
News
CM一考

以前の記事

お気に入りブログ

メモ帳

検索

人気ジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧