お勉強

BPのリグ爆発、たび重なる設計変更が誘発か
(前略)
BPは当初、大量の石油とガスを扱うのに十分な大きさの9-7/8インチ幅のパイプを油層に設置することを考えていた。だが、最後の部分については、7インチ幅を超える大きさのものではフィットしなかった。そこでBPは、海底から油層までたった1本のパイプを使用するか、あるいは幅の異なるパイプを2本重ねて使用するかの選択に迫られた。多くの業界専門家によると、パイプを2本使用する方法の方が、油井の外側に流出するガスに対して、防護機能が強化されるため、安全性が高いという。業界エンジニアとして長い経験を誇る米テキサスA&M大学のジーン・ベック教授は、特にBPが掘削していたような高圧油井に対しては、パイプの2本使いが「多かれ少なかれ、最も無難な方法だ」と述べる。
 だが、1本使いの方法の方が簡単で手っ取り早く、2本使いの場合よりも1週間ほど短い期間で作業を終えられる可能性が高かった。BPのディープウォーター・ホライズンの運営コストは、1日当たり約100万ドルにも及ぶ。4月の報告書で、BPのエンジニアは、油井の外側にガスが流出するすき間を残す「一定の危険性」があるにもかかわらず、1本使いの方法を「最も経済的な方法」と結論付けた。報告書には、2本使いの方法は、ガス流出を防護する機能は高まるが、油井に「安定性の問題」その他が発生した場合のみに用いる方法であると記載されていた。
 4月14日午後8時34分、BPはMMSに、油井全体に対して7インチ幅のパイプ1本のみを使用する、1本使いの方法を用いる旨を報告した。連邦記録によると、MMSは翌朝の8時13分にそれを許可した。
 4月15日午前9時54分、BPは、MMSに対して、今度は変更を行うための申請を行った。7インチ幅のパイプではなく、上から下にかけて幅が細くなっているパイプを使用しようと考えたからだ。これは、数分後にMMSによって許可された。
 さらに午後2時35分、BPは別の変更をMMSに申請した。今度は、油井に既に設置されたパイプの1つについて、”記載漏れ”を通知するためのものだった。4分半後、MMSはこの変更も許可した。
 MMSは昨年、すべての企業に対して、大幅な変更についてはすべて「文書化と分析」を要求する案を提示した。それに対するBPの当時のコメントは、提案された安全規則は不要というものだった。
 沿岸警備隊とMMSがルイジアナ州ケナーで先週開催した調査公聴会での証言によると、BPは、油井の設計変更に関してだけでなく、日々の業務計画もずさんであったことが判明した。
(WSJ 2010年 6月 1日 16:42 JST)
うーむう、、、難しい、、。
とりあえずこの際なので、原油生産について勉強しようといろいろ調べてみたのですが、、。

そもそも原油は井戸の水のように、細かい岩の間に内包されていて、そこから地層上部からの圧力により穴を通すと自然に地上近くまで上がってくる(自噴)原油井戸があるとのこと。ただ、現在は自噴井戸は減り、ポンプを使って吸い上げる方法から、”油層岩内の孔隙内に捕捉されている原油を圧入流体で強制的に置換し回収する二・三次回収技術が開発”(JOGMECのHPより)されているとのこと。例えば孔隙内に細く分布している原油を回収するために水を注入して圧力をかけたり、界面活性剤を用いたりする方法があるそうです。

現在自噴やポンプなどで生産できるイージーオイル(簡単に採掘できるオイル)はどんどん減っていき、さらに地上の油田の多くが各国の石油生産会社の国有化を経て、現在メジャーといわれる民間石油会社は生産環境の厳しい北極海やアラスカなどの局地方面への展開か、深海開発へシフトを余儀なくされているとのこと。

そもそも今回の事故は何をどう間違ったのか。
今回事故を起こしたディープウォーター・ホライズンは最新鋭の自動船位保持装置を備えた半潜水式の石油プラットフォームで、2001年に石油プラットフォーム運営大手トランスオーシャンに引き渡され運営されていました。

ところが、メキシコ湾の掘削リグ、爆発炎上の最中に「責任者不在」(WSJ 2010年 5月 28日 20:17 JST) を読むと、どうもきちんとした危機対応訓練が行き届いていなかったようで。

上記記事にありますように、工期が伸びてしまったがため、開発コストがオーバーランしていまい、安全対策が万全に行われていたとは言いがたいようです。開発工期を短縮するためガス圧チェック等をおろそかにしてしまったために起こった人災ということなんでしょうか。

金融市場的にいうと、BPはエクソンモービルなどに比べ生産コストが高い井戸が多く、また高配当をして財務圧迫していたとのこと。また、生産の2割近くをロシアのTNK-BPという子会社生産になっており、カントリーリスクが内包しているとのこと。
この原油流出事故はいまだ流出を食い止めることができず、事態は泥沼化してますが。
まあそれでもBPの時価総額は10兆円近くあるんですけどね、、。
BPの優良資産を買い叩け!という提案があっちこっちに飛び交っている悪寒。
しかし、、、金融のテクニカルタームがよくわからない、という方の気持ちがちょっとわかった気分です、、。
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by ttori | 2010-06-12 09:15 | News
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小さな窓から見上げると曇り空でも、外に出ると意外と晴れてるもんだ。
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