破綻の裏側。

今読んでる本は面白い本盛りだくさん!です。下記以外では、”賢者の黄金”(ジリアンデット著)、いまさら読んでる竹森俊平先生の”資本主義はお嫌いですか それでもマネーは世界を動かす”、”バフェットの株主総会 ジェフ・マシューズ著”。読み終えた順に紹介したいと思います。

f0005681_222116100.jpg金融大狂乱 リーマン・ブラザーズはなぜ暴走したのか
ローレンス・マクドナルド (著), パトリック・ロビンソン (著), 峯村利哉 (翻訳)

元リーマンブラザース・VP(バイスプレジデント:課長くらい)でディストレス債券のトレーダーだった著者がリーマン内部からの目線でリーマン破綻までを追っています。

まず前半で著者がリーマンにたどり着くまでの過程、ハーバードやイェールなど超有名大学以外ではほとんど就職不可能なウォール街で職を得るまでの奮闘を描かれています(著者はマサチューセッツ大学ダートマス校出身)。メリルのフィラデルフィア支店へ採用されるまでの過程、支店でのブローカレッジ業務。このあたりの話は日本の証券会社のリテール営業と同じ雰囲気なのがわかります。そして著者はITバブルに乗って、Convertbond.comというサイトを立ち上げ、債券リサーチをWeb上で提供する会社を設立、その会社をモルガンスタンレーに売却し債券アナリストをした後、友人の誘いでディストレス債(破綻しそうなリスクの高い債券)のトレーダーとして、リーマンブラザースに加わります。

そこからリーマンでの内部での動きがつぶさに描かれています。なにより、グローバル債券ヘッドのゲルバント氏など、多くの人物が05年にはサブプライム市場の崩壊を予想し、リーマンのファルドCEO、グレゴリー社長などに「ポジションを落とすべき」という進言を何度も行っていた事実が描かれています。
またそうした予測により著者たちが多くの市場でショートポジションを取り、大もうけする姿が描かれています。しかし一方でファルドCEOは決して現場には降りてこず、サブプライムや不動産市場にのめりこみ会社を傾かせることになります(そしてゲルバント氏や著者の上司のマッカーシー氏など危機を訴えた人間がどんどん会社を去っていきます)。不動産市場にのめりこんだ理由が、彼の元上司で彼のメンターにリーマンを追い出されたブラックストーンのピーターソン氏がREITの買収をして大金を儲けたから、と書かれています。そこでのファルドCEOの口癖が「成長、成長」。
そして現場のヘッドたちが反乱をおこしてグレゴリー社長を解任し、ゲルバント氏などを呼び戻し、リーマンを立て直しにかかりますが、あまりにもひどい不動産への傾斜でもはや手遅れで、またポールソン財務長官の不興を買い、結局破綻していく姿が描かれています。

まさに「タイは頭から腐る」を地でいっている感。かつてのトレーディングの勇ソロモンの「博徒の集団の頭は博徒の天才でなければならない」というのをここでも再確認しました(JPモルガンのダイモンCEOやデリバティブから完全撤退を主張したウインタース氏や、2005年にはトップの方針でサブプライムのショートに走ったゴールドマンなどとの対比。今回あまり傷を負わなかった欧米金融機関(JPモルガン、GS、CS、ドイチェなど)のトップはトレーダー出身者が多いことに気がつかされます)。

残念ながら訳をされた方があまり金融に詳しくないのか、転換社債と社債をごっちゃにされてたり、一部?なところがあったりしますが、リーマンショックから1年、内情を赤裸々に知れるカナリ面白い本だと思います。

最後に別の本から。最近面白かった記述。”公平な”コイン投げで99回表が出た。100回目のコイン投げで裏が出る確率は?と聴かれあるA教授は”そんなの半分に決まってる”と答えたが、Bさんは”1%もない”と答える。”A教授は半分だっていってるけど”とBさんに言うと、”ばかやろう、コインに細工がしてあるにきまってるだろう”と。”公平だといってるけど”というと、Bさんは”ちょろいぜ。この勝負いただきだ”と。
さて皆さんはどうお考えでしょうか。

【追記】マーケット、、、円高進行。日銀レートチェックがあったようですが、実弾介入はなかったそうで、、。株はインデックスで下を試して、日経のプットのインプライドが急騰。為替はサンクスギビングで海外当局と連携ができない政府の足元を見透かして遊ばれてますなあ。。。でも意外と輸出筋の株価しっかり。まあ来週頭いろんなインデックスプレーが出てきますから、株価歪んでる、といわれればそれまでですけど、、、。
[PR]
by ttori | 2009-11-28 21:11 | 本 / CD / TV
<< 勝者。 あとしまつ >>



小さな窓から見上げると曇り空でも、外に出ると意外と晴れてるもんだ。
by ttori

カテゴリ

全体
プロフィール
本 / CD / TV
プライベート
Market(マーケット事件簿)
News
CM一考

以前の記事

お気に入りブログ

メモ帳

検索

タグ

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧