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非日常

f0005681_11485564.jpgカッシーノ! (1,2)
浅田 次郎 (著)

はっきり言ってこのエッセイはとっても楽しい。
小説が非日常であるとすると、このエッセイも非日常を、まるで日常のごとく書く。
その上で、「日本の親父は働くことを美徳とし、母親は育児や家事に追いまくられて日常をこなしている。もちろん、勤勉も勤労も誇るべき美徳であるが、その対価として享受すべき幸福をまったく確認せずにすごす人生はあまりにもむなしい」。

本書の各国(ヨーロッパからアフリカ大陸、アメリカ大陸まで)を旅しながらカジノめぐりをし、その各国の民族性の違いを発見しながらの旅は、とっても楽しい。特にカジノ(ギャンブル)はその性格が端的(ヨーロッパでも格式のイギリス、楽しみを優先させるフランス、客がひたすら統計を取って、ようやくベットするドイツ、外貨を持ち出せない南アフリカ等々)に出ていると思われます。
ただ、多くのところで記述されていますが、いまやどこにでも同一のスロットマシンが鎮座しているとのこと。各国の事情を勘案しても、こんなところにもグローバリゼーション(世界の画一化)がおこってるんだなあ、と。

カッシーノ!1の中にこんなくだりがあります(ルーレットの玉を狙ったところにディーラーは投げ入れることが出来るか、という質問に対してカジノ・バーデン(オーストリアのカジノ)のプロのディーラーとの対話で)、
”「そのように考えられているゲストの方は多いと思いますが―」
「ディーラーはシリンダーを回し、その回転方向とは逆にボールを投げ込みます。しかもシリンダーの内側には十四個の障害物があります。」
「いかに熟練したディーラーでも、この不規則な障害物がある限り、思った場所にボールを落とすことなどできるはずはありません」
マネージャーはそういってにっこり笑い、私はウームと考えた。話しながらマネージャーの投げたボールは「0」に落ちていたのである。
「これは?」
「もちろん、偶然です」
その先の質問を避けるように、マネージャーは去っていってしまった。”

まあ、、、日曜日のお昼時、ビール飲みつつこの本を再読しながら、ある種プロのかっこいいこんな記述に当てられて思わずこの本のエントリーを書いてしまう私はみーはーですか、そうですか。
(ちなみにMITの学生がラスベガスのカジノのディーラーを打ち負かす話もありますね)。

ビジネスとはある意味ギャンブルに近い(同じ、とは言いませんが。でもビジネスマン、みんなそう思うとおもいますけど、どうでしょうか)。

でもそうでも日常から離れ、違う世界に身をおき、空想の世界に身をゆだねることが小説やエッセイなど本を読む楽しみの一つだと思います。
そういう意味では、日常からもっとも切り離されたギャンブルの世界を、さらに世界紀行とあわせながら読める、ほんと休日の昼下がりにぼんやりゆっくり読める本だと思います。
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by ttori | 2009-08-09 11:49 | 本 / CD / TV
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小さな窓から見上げると曇り空でも、外に出ると意外と晴れてるもんだ。
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